他社との競争ではなく顧客が望むものを提供する
デスクトップのクラウドサービスと言えば、アプローチは異なるがGoogleのChromebookのようなサービスもある。これはAmazon WorkSpacesと競合することにならないのだろうか。これに対してDuffy氏は「Amazon Web Servicesは、他社の動向には配慮しません」と言う。これはWorkSpacesに限ったことではない。すべてのAmazon Web Servicesのサービスの展開は他社との競合うんぬんではなく、とにかく顧客の要望にどう答えるか、それだけに影響されるものだと言うことだ。なので、競合となり得るようなサービスがあったとしても、Amazon Web Servicesはそれらに対し一切コメントしないのだ。
「今後も継続してデスクトップを利用したい、顧客がそう考えるのであればデスクトップ+クラウドのメリットを我々は提供します」(Duffy氏)
デスクトップ仮想化(VDI)というものが世の中に登場し、その目的やVDIを実現することで訪れる夢のような環境があり、それらをクラウドという技術で解決しているつもりだというわけだ。
今後も顧客が望めば、それに応じてWorkSpacesのサービスも順次発展していくことになる。たとえば、Amazon Web Servicesの既存サービスとの連携などもその1つだ。たとえば、フルマネージド型のセキュアなエンタープライズストレージおよび共有サービスであるAmazon Zocaloとの連携も進められている。WorkSpacesの月額費用の中に、フルのZocaloが使えるサービスも含まれている。
重要なのは、顧客に選択肢を提供することだとDuffy氏は語る。
「顧客が面倒な管理を行うのではなく、面倒な部分はAmazonがフルで管理するサービスを提供する。顧客はそれによりサービスの利用に徹することができる。コスト効果や自分たちのニーズに合ったサービスを選んで欲しい。ニーズに合うものの中で、もっともコストの安いものを選んで欲しい」(Duffy氏)
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谷川 耕一(タニカワ コウイチ)
EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...
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