SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

最新イベントはこちら!

Data Tech 2024

2024年11月21日(木)オンライン開催

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

EnterpriseZine(エンタープライズジン)

EnterpriseZine編集部が最旬ITトピックの深層に迫る。ここでしか読めない、エンタープライズITの最新トピックをお届けします。

『EnterpriseZine Press』

2024年秋号(EnterpriseZine Press 2024 Autumn)特集「生成AI時代に考える“真のDX人材育成”──『スキル策定』『実践』2つの観点で紐解く」

EnterpriseZine Press

「AWSとは異なる」―SoftLayer買収でIBMが目指すクラウドとは?


 IBMがSoftLayerの買収を完了したのは2013年7月のこと。まだ1年ちょっとしか経過していないが、いまやすっかりIBMのクラウドビジネスの主役となっている。もちろんSoftLayerが加わる以前からIBMはクラウドに取り組んではいたけれど、市場への出遅れ感は否めなかった。それが一気に並みいるライバルと肩を並べるポジションに順位を上げた。

Amazon Web Servicesとはそもそもの戦略が異なる

 肩を並べるとは言うものの、独走気味にトップを走るAmazon Web ServicesとIBMでは目指しているゴールが少し異なると感じる部分がある。そもそもSoftLayerが誕生するきっかけは「顧客の中には、自社データセンターにあるものをクラウドへと移行する動きがあることは分かっていました。そこでデータセンターにあるコンポーネントをAPIも含め月ベースで貸し出すことを考えたのが2004年のことです」と語るのは、SoftLayerのCEO ランス・クロスビー氏だ。これをビジネスで始めたのがSoftLayerなのだ。

 そのSoftLayerが創業以来目指しているのは、たんにクラウドから安価にコンピュータリソースを提供することではない。真にエンタープライズで利用するためのクラウドを提供する。そう考え、その結果としてハイパーバイザー型ではなくベアメタル型のIaaSがあり、グローバル規模のデータセンターの設置とそれをつなぐ自前のバックボーンが生まれた。サービス提供形態も、シェアード型のマルチテナントもあればリソースを占有できる専用型もある。実際、SoftLayerの顧客の6割は専用型を選んでいるそうだ。

 また、SoftLayerの大きな特長がサービスがブラックボックス化されていないことだともクロスビー氏は言う。グローバルなネットワークやストレージなどの構成要素も含め、どういう状況にあるかをユーザーが見られる透明性がある。データ管理に対する厳しい規制や貴重なデータを守るためのセキュリティ確保といった要件を満たす。それがBtoBの世界では求められ、それに応えようとしてきた結果がいまのSoftLayerのサービスの特長になっているわけだ。

SoftLayer CEO ランス・クロスビー氏
SoftLayer CEO ランス・クロスビー氏

 「Amazon Web Servicesとは全体の戦略が違います。コンシューマ・グレードのクラウドを構築してきたのがAmazonであり、対してIBMはBtoBの企業です。我々には、直接のコンシューマ・カスタマーはほとんどいません。顧客企業の消費者にサービスを提供できるようにするのがIBMのクラウドサービスです。なので、そのために分散型にするであるとかセキュリティ性を高めるといったことを行っています。さらに、グローバル・ネットワークを提供し、ベアメタル型も用意しています。その結果、金融、医療、クレジットカード、航空業界でも利用されるようになりました。彼らから利用してもらえるサービスが提供できれば、真の意味でのエンタープライズ・レベルのサービスとなります」(クロスビー氏)

次のページ
クラウドを活用することで変革をもたらす

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
EnterpriseZine Press連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/6343 2014/11/13 16:46

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング