RFPはワガママ文書であるべき
RFPの作成は原則的にはユーザ企業が行うもので 、その要望や希望を比較的ストレートに表現します。業者と共に、あるいは業者が主体で決められることの多い要件定義書とは異なり、RFPにはユーザが技術的な制約やベンダの事情等を考慮せず、自身の要望やニーズを素直に書くことができます。
「必ずしも、統計の知識を有しないオペレータでもモンテカルロシミュレーションを直観的な操作でできるような…」 などと好き放題なことを自分の希望最優先で書いていますので、ある意味、ワガママとも言えますが、以降の工程ではなかなかできない、自由な発想や要望を自社の都合だけで検討したこの資料は、ユーザの本来の目的を最も忠実に表現したものと言ってもよいでしょう。
逆に、この時点から様々な技術的な制約や発注したい業者の都合に合わせて要望を書いているようなRFPは、本来の目的をボヤかしてしまい、結果としてはユーザの望むシステムやサービスを実現できなくなる危険を孕んでいます。
RFPで、ユーザから好き勝手なことを言われる業者は当然、その記述内容を「なんでも仰るとおりに…」と受け入れることはできません。自分なりの提案をしていく必要ですし、そうしないことは、ある意味怠慢です。「ワガママ」と「代替案」の応酬こそが、結果的には良いシステムやサービスを実現するものであり、RFPはユーザがキャッチボールの最初に投げべき「悪球」と言うこともできます。