EDB Postgresの採用傾向
EDB Postgresは企業向けデータベースに求められる機能を強化する形でPostgreSQLを進化させたデータベースです。サブスクリプション・ライセンスと呼ばれる年単位のサポート付き使用権で提供されており、ビジネス規模やシステム負荷に応じて必要な数のライセンスを購入することができます。また、データベースサーバに割り当てられたCPUコアをライセンス対象としているため、仮想インフラやクラウド環境で利用しやすく、図1にあるように当社のお客様実績では、仮想環境が約半数を占めています。また、データベースサーバに8コア以上を割り当てているシステムが全体の46%を占めており、EDB Postgresがさまざまな規模のシステムで利用されていることが分かります。
主要エディションである「EDB Postgres Enterprise」はバックアップや監視など運用に必要なツール群の提供に加え、Oracle Databaseとの高い互換性(※1)を持っています。当社の調査ではSQLやPL/SQLに対する互換性は図2にあるようにそれぞれ90%、85%という高い割合であることを確認しています。また、当社のお客様事例ではOracle Databaseで作られた約1,400本のストアドプログラムのうち、書き換えが必要なのはわずか50本で、全体の97%が再利用可能という結果が得られた実績があります。
このOracle Databaseとの高い互換性によって、移行にかかるコストと工数を小さく抑えながらOracle Databaseのノウハウが有効活用できる点が評価され、コストメリットの大きいOracle Database Enterprise Editionからの置き換え先としてEDB Postgresを採用する企業が増えているのです。
(※1)SQLやPL/SQL構文をはじめ、トランザクション制御、各種ユーティリティなどOracle Database互換を中心としたEDB Postgresのエンタープライズ向け機能の資料を当社Webページよりダウンロードいただけます。
移行性のチェック段階から活用できるEDB Migration Toolkit
データベース移行では、まず移行アセスメントを実施して移行難易度やリスクを事前に把握することが重要です。アセスメントでは、システム要件や構成などの情報を机上で評価した後、対象システムから抽出したサンプルデータとプログラムを使って移行可否を確認します。移行先がこれまで利用してきたデータベースと異なる場合、サンプルデータとプログラムを使った移行可否の確認は、データ定義の変更やプログラムの書き換えがどの程度発生するのかを把握するために必要不可欠な要素と言えます。この作業はスクリプト化して実施することもできますが、EDB Postgresの標準機能として提供されるデータベース移行ツール「EDB Migration Toolkit(MTK)」を利用すれば、図4のようにオブジェクト定義や文字コード変換だけでなく、プログラムの移行性も簡単に把握することができます。MTKがどのような機能をもっているのか、もう少し詳しく見ていきましょう。