安価な価格設定の中小企業向けに最適なSaaS
さまざまなSaaSベンダーの中で、ちょっと変わった存在なのがZohoだろう。Zohoはマーケティング、営業、サポート、会計に至るビジネス活動のほとんどをカバーする、30種以上のツールをクラウドで提供している。2005年からZoho CRMの提供を開始しており、世界で2000万を超えるユーザーが利用している。
Zohoの大きな特長が、価格が安いことだ。1年間のZoho CRMの利用料は、スタンダードで1ユーザー17,280円、プロフェッショナルが28,800円、その上のエンタープライズは50,400円だ。サービス内容が異なるので価格だけを比べても意味はないかもしれないが、SalesforceのSales Cloudの場合は1ユーザー月額でLightning Professionalが9,000円、Lightning Enterpriseが18,000円、Lightning Unlimitedが36,000円だ。Zohoは月額なら1,440円から始められるので、Salesforceの6分の1程度の費用でクラウドCRMを始められることになる。
Zoho事業部 事業長 中沢 仁氏
この価格の安さを武器に、Zohoは中小規模の企業を主たるターゲットにビジネスを展開している。実際、5から10ユーザーを中心に100ユーザー程度の顧客が多いとのこと。「この領域の顧客層を中心に、パートナーと共にビジネスを伸ばしていきたい」と言うのは、ゾーホージャパン株式会社 Zoho事業部 事業長の中沢 仁氏だ。
Zohoは安いからと言って、簡易版のSaaSではもちろんない。「米国では1,000ユーザーを超える大規模な事例もあります。300から500ユーザー規模の事例も数10社以上あります」と中沢氏。安価な価格設定でターゲットは中小規模の企業だが、サービス自体は中堅、大規模企業でも十分に対処できるものとなっている。