SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

直近開催のイベントはこちら!

EnterpriseZine編集部ではイベントを随時開催しております

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

Oracle Database 12cR2のすべて

さらに使いやすく!Oracle Database 12cR2のDatabase In-Memory

 前回はOracle Database 12c Release 2(以下、12cR2)のマルチテナントについて紹介しました。今回はOracle Database In-Memory(以下、Database In-Memory)です。インメモリ技術によって分析処理を高速化するDatabase In-Memoryも12cR2で進化し、より使い勝手が良くなりました。Oracle Database 12c Release 1(以下、12cR1)から12cR2への変更点をBefore/Afterで整理して解説します。

 Database In-Memoryは12cR1のPSR12.1.0.2から提供されている機能です。従来の行フォーマットでデータを保持するバッファ・キャッシュに加え、列フォーマットでデータを保持する「インメモリ・カラムストア」という新しいメモリ領域を展開します。このメモリ領域にデータを列フォーマットで保持することで、大量データの分析クエリを高速に処理できます。

図1:Oracle Database In-Memoryの概要
図1:Oracle Database In-Memoryの概要

 バッファ・キャッシュには直近で使用されたデータや、使用頻度の高いデータがデータ・ブロック単位で格納され、使用頻度の低いデータはメモリから除外されます。一方、インメモリ・カラムストアにはあらかじめ指定したオブジェクトのみが格納されます。分析で利用される大規模なデータを確実にメモリに展開し、かつ列フォーマットを採用することで高速な参照処理を可能にします。

 ※以下の記事で詳細なアーキテクチャや検証結果を解説していますので、併せてご参照ください。

 このように唯一無二のアーキテクチャで構成されるDatabase In-Memoryは、マルチテナントと同様、日本国内では12cR2の普及に合わせ急速に展開されていくものと予測されます。また、近年のOracle OpenWorldの講演から、将来のOracle Databaseを語る上でDatabase In-Memoryが重要な位置づけにあることがわかります。

図2:Database In-Memoryに関するOracle OpenWorldでの発表
図2:Database In-Memoryに関するOracle OpenWorldでの発表

 2014年のDatabase In-Memoryリリースに続き、2015年のOpenWorldでは「Software in Silicon」と呼ばれる、チップ内でSQLを処理する技術を搭載したSPARC M7が発表されました。インメモリになると、ボトルネックがディスクI/OからCPUに移るので、“如何にCPUを効率よく回してデータベースを速くするか!”という観点で開発されています。

 そして2016年のOpenWorldでは12cR2のリリースが発表され、具体的な内容は後述しますが、Database In-Memoryも大きく進化しています。

 また、「Non-Volatile Memory is Coming」という発表の中で、「不揮発性メモリの開発に着手していて、2018年には提供を開始する。既にOracle Databaseへの対応も開発中」というアナウンスがされました。従来から“如何にディスクI/Oを減らして効率を上げるか”と考えられてきたデータベースの仕組みが、不揮発性メモリの登場で根本的に変わります。Oracle Databaseはディスクベースからインメモリデータベースへ移り変わる流れの中で、ソフトウェアとハードウェアの両面から着々とピースを揃えてきています。その中でも、Database In-Memoryはデータベースエンジニアにとって重要な1ピースと言えるでしょう。

次のページ
メモリサイズの動的変更やインメモリ化オブジェクトの自動管理など…運用管理が楽になった!

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
Oracle Database 12cR2のすべて連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

長内 麻記(オサナイ マキ)

 株式会社アシスト データベース技術本部 アシスト入社後、データベース部隊に配属される。始めてOracle Databaseを触れた時は「なんて難しい製品なんだろう。」と思い、気が重くなった。その後、フィールド・エンジニアとしてDBシステムの構築や、新機能のハンズオンセミナー立ち上げなどを経験。現在...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/9010 2017/03/06 06:00

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング