先月(2008年11月20日)、待望のNetBeans 6.5がリリースされました。Ruby on Railsの開発プラットフォームとしてNetBeansはますます存在感を増しつつあります。 今回は、NetBeans 6.1から6.5へアップグレードする手順を説明した後、NetBeans上でRuby on Railsアプリケーションのテスト(単体テスト、機能テスト)をどのようにして行うかを解説します。また、テスト駆動開発のサンプルもお見せします。
NetBeans 6.5へのアップグレード
NetBeans 6.5はそのバージョン番号が示すとおり、次の7.0への架け橋に当たり、6.0/6.1と比較して目覚しい機能拡張が行われているわけではありません。PHPの正式サポートやデータベース操作機能の充実が目を引きますが、ことRuby on Railsに関して言えばマイナーバージョンアップという印象です。
しかし、初めてRailsをサポートした6.0の登場から1年弱が過ぎ、Railsの開発プラットフォームとしてNetBeansは安定し、こなれてきました。また、NetBeans 6.5では、テスト環境の一層の充実が図られています。
さて、NetBeans 6.0/6.1からNetBeans 6.5へのアップグレードですが、特別な手順があるわけではありません。第1回で説明したのと同じ方法で、NetBeans 6.5をインストールするだけです。1つのコンピュータに複数のバージョンを共存させることができます。ただし、既にNetBeans 6.0/6.1がインストールされているコンピュータにNetBeans 6.5をインストールしようとすると、図1のように途中で設定をインポートするかどうか尋ねられます。
なお、NetBeans 6.5からGlassFishというJavaEEアプリケーションサーバが同時にインストールされるようになりました。ネイティブのRubyインタープリタではなくJRubyでRailsアプリケーションを動かす時に使います。
NetBeans 6.5初回起動時の注意
インストールが完了したら、早速NetBeans 6.5のアイコンをダブルクリックして起動してみましょう(図2)。
起動時のスプラッシュ画面が新しくなっていますね。
ところで、この連載のバックナンバーの記述に従って作業を進めてきた方は、おそらく次のようなエラーメッセージに遭遇するでしょう。
これは、Ruby on Railsのバージョン2.1.1がインストールされていないという意味のメッセージですが、NetBeans 6.1の時には正常に動いていたのですから変ですね。実は、NetBeans 6.5は、デフォルトではJRubyの環境だけを認識します。JRubyのライブラリフォルダにRails 2.1.1がインストールされていないとこのようなエラーメッセージが出てしまいます。
[了解]ボタンをクリックしてエラーメッセージを消してから、メニューの[ツール]→[Ruby プラットフォーム]を選択し、[プラットフォーム自動検出]ボタンをクリックすれば、ネイティブのRubyインタープリタが認識され、以後エラーメッセージは出なくなります。
この記事の筆者黒田努による無料セミナー「NetBeansで始めるRuby on Rails ~最新統合開発環境の実力とは?~」が12月18日19:00より開催されます。会場は東京駅より徒歩3分の距離にあります。
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黒田 努(クロダ ツトム)
株式会社オイアクス代表取締役社長。東京大学教養学部卒。在ギリシャ日本国大使館、株式会社ザッパラス、株式会社イオレでの勤務を経て、2007 年にRuby on Rails 専門の教育・コンサルティング会社オイアクスを設立。著書に『基礎Ruby on Rails』(共著、インプレスジャパン刊、2007)...
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