アジャイル、DevOps、マイクロサービスの3つすべてを揃えているのはCAだけ
反町氏が就任してからの1年、日本CAのビジネスは概ね好調だったようだ。「昨年、デジタルトランスフォーメーションのベストサポーターになると言いましたが、1年でこのCAのそのコンセプトが具現化してきました」(反町氏)。「企業のデジタルトランスフォーメーションをサポートする」、これは今や多くのベンダーが口にするメッセージだ。とはいえ現実は、デジタルトランスフォーメーションによるビジネスの革新にはまだ取り組めていないか、取り組んでいても具体的なメリットを享受できていない企業がほとんどだ。
特に日本はデジタルトランスフォーメーションでは出遅れている。デジタルトランスフォーメーションがビジネスに及ぼす影響度を国別に指標化した調査の結果を見ても、主要21カ国のうち日本は16位とかなり低いポジションとなっている。IT先進国である欧米諸国が日本より上位にいるのは予測の範囲だが、インド、タイ、ブラジル、インドネシアなどのIT発展途上国とも言えるような国々が上位を占めているのは興味深い。これらIT発展途上の国では既存ITシステムによる「過去のしがらみ」がないため、新しい取り組みに積極的に取り組める。デジタル化を進めるこのような条件の違いが、保守的な日本との大きな差として現れているのだろう。
デジタルトランスフォーメーションにまだ取り組んでいない、あるいは取り組んでいても部分最適でなかなか全体最適に至っていない状況がある。CAではこの状況を解消するために、「モダン・ソフトウェア・ファクトリ」というコンセプトを掲げている。これはソフトウェアの開発を工場に見立てて進めるもの。工場でものを作るのと同じようなプロセスでソフトウェアを作り、評価し、改善するサイクルを迅速に回すのだ。
ソフトウェア開発の場合は、計画の段階から開発のところをアジャイル開発の技術が担う。開発からオペレーション部分はDevOpsとなる。さらに開発の俊敏性を高めるためには、マイクロサービスの技術を活用する。「この3つすべてを持っているのは、CAだけです」と反町氏は言う。
CAでは買収と自社開発の2つの投資を行い、これら3つの部分のポートフォリオを急速に拡充している。開発したアプリケーションのセキュリティチェックの機能を自動化する「VERACODE」なども、つい最近新たに買収している。技術買収では、そのソリューション領域でトップ3に入るような高度で実績ある技術を買収しているとのこと。市場で真に強い部分を取り込むことで、モダン・ソフトウェア・ファクトリのコンセプトをいち早く実現している。