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Teradata Everywhereは極めてユニーク、他社が簡単に真似できるものではない

 テラデータは「Teradata Everywhere」というコンセプトのもとで、新たな製品やサービス、ライセンス形態の提供を開始している。Teradata Everywhereの目指すところは何か、テラデータのエグゼクティブ・バイスプレジデント 兼 チーフ・プロダクト・オフィサー オリバー・ラッゼスバーガー氏に話を訊いた。

プラットフォームを1つにすることで顧客のアナリティクスの問題を解決する

テラデータ エグゼクティブ・バイスプレジデント 兼 チーフ・プロダクト・オフィサー オリバー・ラッゼスバーガー氏
テラデータ
エグゼクティブ・バイスプレジデント 兼 チーフ・プロダクト・オフィサー
オリバー・ラッゼスバーガー氏

Q:テラデータにはこれまでにもUniversal Data Architectureなどがありましたが、今回フォーカスしているTeradata Everywhereはそれらを包括するもっとも大きな概念となるのでしょうか?

ラッゼスバーガー:その通りです。これまでのメッセージをさらに昇華させ、Teradata Everywhereを上位の概念にしました。これからはTeradata Everywhereの傘下に、テラデータの製品やサービスが入ってくることになります。Teradata Everywhereにより、アナリティクスのエコシステムがハイブリッドクラウドの環境でも実現できるようになっています。Teradata Everywhereの概念自体は、今年初めてのものではありません。今まで伝えてきた概念も踏襲しています。

 Teradata Everywhereというコンセプトを実現することで、顧客が大きな決断を行う際のリスクを軽減できます。そしてこのテラデータが提供するアナリティクスのエコシステムを実現する際には、展開オプションがたくさんあり、顧客はそれを自由に選べます。その上で、1つのライセンスモデルで実現できるようにもしました。ユーザーグループのステアリング・コミッティからも、Teradata Everywhereをもっと進めたほうがいいとの声がありました。

Q:Teradata Everywhereのコンセプトを実現するプラットフォーム製品として「Teradata Analytics Platform」が発表されましたが、これは顧客からのどのような要望があって生まれたものなのでしょうか?

ラッゼスバーガー:これまでは目的別、たとえばデータウェアハウスや非構造化データを扱うHadoopなど、システムが目的ごとにデータを持つように構築されてきました。そこに一貫性を持ったアナリティクスの基盤を持つことは容易ではありませんでした。またデータが分かれていたので、それらをソースとする統合的なデータ分析環境があったとしても、その中のデータ鮮度が保てない問題もありました。

 さらにSQLやPython、Rなどさまざまな方法で分析をしたいときにも、システムが分かれてしまいます。その場合もそれぞれの方法で分析を行うのに、タイム差が発生します。顧客が抱えているこれらの問題を解決するために、分析プラットフォームを1つにすることにしました。これにより、それぞれの分析のスキルに併せてプラットフォームを用意し、それを運用するためのスキルトレーニングも必要なくなります。

Q:Teradata Everywhereの1つである、Buy Any Wayではレベルの異なる4つのライセンスモデルを提供し、さらにIntelliCloudではAs-a-Serviceでも利用できるようになっています。安価に始められるライセンスを用意したのは、中堅、中小規模の企業を新たにターゲットとしたものですか?

ラッゼスバーガー:いいえ、中堅、中小規模の企業をターゲットにしているわけではありません。テラデータのソリューションで差別化を発揮できるのは、やはり大規模な企業の問題解決をできるところです。テラデータの価値はそこにあります。テラデータは、いまだ大企業のニーズを満たしきれていません。なので、その部分が戦略のポイントになっています。

 大規模な企業のアナリティクスに対する投資額は、中小規模の企業の10倍以上はあるでしょう。日本もグローバルで上位に入る企業がたくさんあります。なので、日本市場に対しても我々は注力しています。テラデータの製品を、もっとグローバルな企業に使ってもらいたいと思っています。そのために、テラデータの限られたリソースを、まずは大企業の問題解決に投入します。

 とはいえ、戦略的には狙っていない中堅、中小規模の企業にも、クラウドのサービスがあることでテラデータを使ってもらえるとも思っています。医療やコンシューマエレクトロニクスなど、まだまだ大企業のアナリティクスに対するニーズはたくさんあります。テラデータでは、まずはそれらを満たしていきます。

Q:今回のTeradata Partners 2017では、「Edge of Next」がテーマです。テラデータにとってのエッジとはいったいどんなものを指すのでしょうか?

ラッゼスバーガー:大規模にデータを収集し分析を行う。そのための技術はだいぶ進化しています。それにより大きな変革が起ころうともしています。しかしそれを実現しているのは、まだまだ一握りの企業にすぎません。世の中のほとんどの企業が、データ分析による変革を実現できていないのです。今は分析のための技術も揃い、IoTのためのセンサーもあります。けれど、それらを活用する最初の1歩をまだ踏み出せていない。大きな会社は、リスクを心配して踏み出せないのです。失敗して取締役会から批判されたらどうすればいいかと考えてしまうのです。なので、アナリティクスに対する大規模で戦略的な投資はしてきませんでした。

 技術をどうするかは置いておき、まずは1歩引いて北極星を探すのです。北極星という10年後に到達したい到達点を探すのです。これは1度だけ大きく投資して到達できるものではありません。テラデータでは、到達点を探し、企業がそれに向かう決断を手伝うことができます。高い品質を持った北極星という目標を探していきましょう。つまり最先端に到達するとの意味で、エッジという言葉を使っています。

 またエッジ・コンピューティングという意味もあります。今エッジ・コンピューティングが急速に進んでいます。たとえば自動車には、10年前のデータセンターに匹敵するくらいのコンピュータリソースが搭載されています。それを使って何ができるかを考えたいというのもあります。

 最先端を行くことを怖いと感じるかもしれません。判断を間違うリスクがあるからです。最先端技術を不安なく使ってもらえるようにする。それがテラデータの役目です。企業が安心して大きな1歩踏み出し、アナリティクスを実現してもらいます。

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IBMやOracleは旧来の競合だけれど、今やTeradata Everywhereは極めてユニークな存在だ

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この記事の著者

谷川 耕一(タニカワ コウイチ)

EnterpriseZine/DB Online チーフキュレーターかつてAI、エキスパートシステムが流行っていたころに、開発エンジニアとしてIT業界に。その後UNIXの専門雑誌の編集者を経て、外資系ソフトウェアベンダーの製品マーケティング、広告、広報などの業務を経験。現在はフリーランスのITジャーナリスト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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