イノベータが持つ共通のDNA
「自分の天賦の才はどこにあるのだろうか」
誰しも自分の得意なことは何かと、考えてみたことはあるのではないでしょうか?やったことがあれば、得意かどうか判断しやすいものです。スポーツに例えると、野球なのか、サッカーなのか、マラソンなのか、とりあえずそのスポーツをやってみるのが何よりも確実な方法です。しかし、今存在しないスポーツの適性はどうやって知ればいいでしょうか。
まだルールが決まっていないようなチャレンジに向いているかどうかを測るのが、今回紹介する書籍『イノベーションのDNA』で語られている内容です。このイノベーションのDNAは一部の起業を目指している人や、新規事業に関わっている人たちだけのものではありません。米デューク大学の研究者であるキャシー・デビッドソン氏が2011年8月、ニューヨークタイムズ紙のインタビューで語った予測では「現時点で存在しない職業に就く小学生は65%にも上るであろう」と推測されています。私たち大人の住むビジネスの世界もルールは激変しています。
未来のルールに適応、さらに新たなルールを創り出すようなイノベータが今求められています。優れたイノベータの要件は誰にとっても意味のあるものなのです。
最も影響力の強い経営学者に与えられるThinkers50に3回連続で選ばれたクレイトン・クリステンセンは、大企業において優れたアイデアが潰され、イノベーションを興せず衰退する姿を活き活きと『イノベーションのジレンマ』に描写しました。社内の“あるある”がいかにイノベーションを阻んでいるのかを体系立てて書いているため、多くの方の共感を呼んだともいえます。
しかし一方で、ジレンマを解決する方法はあまり示すことができていませんでした。クリステンセンはイノベーションに特化したコンサルティング会社Innosightを設立し、P&Gなどで実践的な支援をしながら自身の理論を増強しました。『イノベーションへの解』『イノベーションの最終解』などの書籍は数々の企業を支援するなかで知見が集約され体系化が進んだ結果です。
クリステンセンが他の経営学者やコンサルタントと異なる点は、Innosight設立の前にもCPSという企業を創立し、経営者として非常に実践的なリアリティを持っている点にあります。私たちINDEE Japanもこの点でInnosightとの共通項は多く、2013年より日本における代表パートナー企業として提携しております。