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ビッグデータブームを支えたHadoop、そしてNoSQL

edited by DB Online   2011/12/27 00:00

2011年もあとわずかとなりました。もうすでに年末のお休みに入っている方も多いかもしれませんね。IT系のWebサイトやメルマガは休みに入ると読まれにくくなるという傾向があるのですが、やはりオフの期間くらいはITから離れていたいのかもしれないですね。もっともDB Onlineは年内、もう少し更新しますので、引き続きお読みいただければうれしいです。

セキュリティアラート - phpMyAdminの脆弱性を狙った攻撃に要注意!

 MySQL管理者にはおなじみの管理ツール「phpMyAdmin」の脆弱性を狙った攻撃が12月に入ってから急増しています。ラックが注意喚起のアラートを出しています。phpMyAdminのふるいバージョンを使っている場合、外部からの任意のアクセスコードが実行可能になりやすいとのこと。

 対策としては、まずphpMyAdminバージョン3.3.10.2または3.4.3.1以上へのアップグレード(最新バージョンは3.4.8)を実行を推奨します。phpMyAdminは外部からアクセス可能な状態にする必要がないので、できれば外部に対して公開しないか、アクセス可能にするならApacheのアクセス制限機能を使ってアクセス制限を行うようにしてください。

あの"象本"第2版が電子書籍でも購入可能に

 先週の週報で谷川チーフが「今年のIT業界流行語大賞はビッグデータで決まり」と書かれていましたが、そのビッグデータブームを支えたメインのアーキテクチャがHadoopでしょう。数年前から注目度が高まっていましたが、2011年はビッグデータとHadoopがセットで語られる機会が激増した年でもありました。

 しかしこのHadoop、マスターするには非常に難しい技術でもあります。全世界で何万人もHadoop職人が不足していると言われていますが、しばらく人手不足は続くことでしょう。逆に言えばHadoop使いにとっては自分を高く売るチャンスでもあります。Hadoopの勉強をはじめてみるには、この長期休暇はよい機会かもしれません。

 Hadoop関連の書籍は何冊か出ていますが、定番といえばオライリー・ジャパンの"象本"こと『Hadoop』でしょう。このHadoopの改訂版がなんと電子書籍でも購入できるようになりました。日本語版の特典として「NTTデータの実証事業におけるHadoop活用のポイント」が付いています。Hadoopにかかわるすべての方にオススメの一冊です。ちなみにこちらの表紙の象さんはヤバい目付きではありません(笑)。

Hadoopのフレームワーク環境「Asakusa Framework」がバージョンアップ

 前述のように、Hadoopはマスターするのがとても難しい技術です。何がネックになっているかというと、HadoopのプログラミングモデルであるMapReduceがむずかしい。MapとReduceを両方あやつれる人材は本当に少ないそうです。

 MapReduceを知らなくてもHadoopを使うことはできないか - そんなニーズをもとに開発されたのがノーチラス・テクノロジーズがオープンソースとして提供している「Asakusa Framework」です。複雑な処理をMapReduceで直接記述するのではなく、独自のJavaベースのDSLを用いて記述し、それをMapReduceに変換するというしくみで、Javaで業務バッチが書ける方なら誰でもHadoopが使えるというのがウリ。開発環境だけでなく、実行環境も運用環境も含まれているフルスタックなフレームワークです。

 そのAsakusa Frameworkが12月19日、バージョン0.2.4となっています。任意のRDBと連携する「WindGate」が今回からGA(Generally Available)になったほか、ドキュメントの構成が大幅に見直され、内容が拡充されています。基幹業務システムでHadoop導入を検討されている向きには一考の価値があるソリューションです。

MongoDBがNoSQL戦争で一歩リード!? - 年明けには東京でイベントも

 Hadoopとともにビッグデータブームの立役者となったのがNoSQLです。これまではいわゆるSQL構造をもたないデータベースシステムと説明されることが多かったのですが、RDBMSに比べてスケールアウトしやすいという特徴がビッグデータの処理に適しているとして、2011年は大きく注目されました。

 NoSQLの分野にはOracleやIBMなどのビッグベンダも参入していますが、CouchDB、Cassandra、HBaseなどオープンソースで開発されているNoSQLも数多く存在します。そんな中、ひときわ目立った存在となったのがNoSQLがMongoDBでしょう。オープンソースとして提供されていますが、開発元はニューヨークとカリフォルニアに本拠を置く10gen社。Googleに買収されたDoubleClickのファウンダーが新たに作ったベンチャーです。

 10genは12月21日(米国時間)、2011年の業績を発表しました。主なものだけを列挙してみると…

 ・Amazon Web Services、Joyent Cloud、Windows Azure、Red Hat OpenShift、VMware Cloud Foundryなど名だたるクラウドサービスとMongoDBでパートナー関係に
 ・2011年の収益は300%増
 ・顧客の数は400社以上に、スケーリングしたサーバ数は1,000台以上に
 ・「技術者に求められるスキルセット」でHTML5に次いでMongoDBが第2位に
 ・2011年のMongoDBダウンロード数は100万以上
 ・10genの従業員数はこの1年で3倍に
 ・ベンチャーキャピタルから2,000万ドルの増資

 と、このように破竹の勢いだった10genとMongoDB。他陣営とのバトルもなんのその、DisneyやViacom、HPなど有力なエンタープライズカスタマーを獲得し、2012年はワールドワイドでのさらなる飛躍が期待されます。日本でも年明けすぐの1月18日に東京・品川シーサイドの楽天タワーで技術者向けの1dayイベント「Mongo Tokyo 2012」が開催されます)。NoSQLのいまを知る上でもよい機会となるのではないでしょうか。

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 今年最後のDB Online週報をお届けしました。4月にほそぼそとスタートしたDB Onlineですが、思いもかけないほどたくさんの方に記事を読んでいただき、編集部一同、感謝の気持ちでいっぱいです。

 きたる2012年が読者の皆様にとってすばらしい一年になることを心よりお祈り申し上げます。どうぞよいお年を。そして2012年もDB Onlineをご愛読のほど、よろしくお願いいたします。



著者プロフィール

  • 五味明子(ゴミ アキコ)

    IT系出版社で編集者としてキャリアを積んだのち、2011年からフリーランスライターとして活動中。フィールドワークはオープンソース、クラウドコンピューティング、データアナリティクスなどエンタープライズITが中心で海外カンファレンスの取材が多い。 Twitter(@g3akk)やFacebook(...

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