SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

直近開催のイベントはこちら!

EnterpriseZine編集部ではイベントを随時開催しております

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けの講座「EnterpriseZine Academy」や、すべてのITパーソンに向けた「新エバンジェリスト養成講座」などの講座を企画しています。EnterpriseZine編集部ならではの切り口・企画・講師セレクトで、明日を担うIT人材の育成をミッションに展開しております。

お申し込み受付中!

マイクロソフト古賀啓一郎の「今月のケースファイル」

謎の5180エラー


 お客様からエラー5180が発生したとの連絡を受けました。このエラーは、参照しようとしたFCB(ファイルコントロールブロック)のファイルIDが不正だったことを示しています。

エラー5180が発生?

案件の概要

 お客様からエラー5180が発生したとの連絡を受けました。このエラーは、参照しようとしたFCB(ファイルコントロールブロック)のファイルIDが不正だったことを示しています。

 SQL Serverは、データベースファイルに関連する情報をFCBという内部構造体で管理しています。管理している情報には、ファイルハンドルなどがあります。ファイルひとつにつき、ひとつ存在します。

 エラーメッセージは、具体的には次のようなものでした。

エラー: 5180、重大度: 22、状態: 1。
Could not open File Control Bank (FCB) for invalid file ID 0 in database 'tempdb'. Verify the file location. Execute DBCC CHECKDB.

 これは、何らかの処理でファイル操作が必要になり、FCBを参照しようとしたけれどもfile ID 0に紐づくFCBが存在していなかった、というエラーです。File IDの最小値は1なので、FCBを取得しようとしている処理が、誤ったfile IDをキーにしてFCBを取得しようとするとFCBを管理している側のコードにあるバリデーションに引っかかり、このエラーが発生するのです。

 エラーの状況を確認する為、その場でサーバーを少しのぞかせてもらいました。しかし、SQL Serverのエラーログには前述のエラーメッセージ以上の内容は出力されておらず、リングバッファを確認しても既にログが循環していたのか、5180エラーに関するレコードが残っていなくて、何が起きていたのかわかりませんでした。

 以下のKBにもありますが、誤ったfile IDが使われてしまう例として、ファイルが破損してしまっているという可能性があります。例えば、ヒープページにあるforwarded recordは、実際のレコードの代わりにforward先のページIDを持っていることがありますが、この部分が壊れて0になってしまっていると、forward先のファイルを読み込もうとした時にfile IDが0の為このエラーが発生します。

 How to troubleshoot Msg 5180 in SQL Server
 http://support.microsoft.com/kb/2015747

 ただ、ファイルが破損しているような場合、ほかにも破損を示すようなエラーが出力されてもおかしくありません。今回の場合、5180エラー以外に破損を示すようなエラーが発生していないこと、対象のデータベースがtempdbであることから、SQL Serverの不具合である可能性が高いと考えました。

次のページ
稀なエラー

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
マイクロソフト古賀啓一郎の「今月のケースファイル」連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

古賀 啓一郎(コガ ケイイチロウ)

日本マイクロソフト株式会社勤務。きままなエンジニア。
謎があると解決せずにはいられない性格。
週末は家事に従事。 

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

EnterpriseZine(エンタープライズジン)
https://enterprisezine.jp/article/detail/6086 2014/09/01 16:56

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

EnterpriseZine(エンタープライズジン)編集部では、情報システム担当、セキュリティ担当の方々向けに、EnterpriseZine Day、Security Online Day、DataTechという、3つのイベントを開催しております。それぞれ編集部独自の切り口で、業界トレンドや最新事例を網羅。最新の動向を知ることができる場として、好評を得ています。

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング