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内部統制を現実離れしたおとぎ話にしないために考えるべきこと 内部統制を作るんじゃない、内部統制で、作るんだ

  2009/02/12 09:00

われわれが目指すのは、「いまある現実」を変えること。内部統制は目標ではなく、道具だということを、しっかり理解して進める必要があります。

まだ、アメ車がほしいのですか?

 内部統制構築が進んでいるように見えても、まったく機能していない、というのが昨今の企業の実態でしょう。きれいな絵は描けたが、なぜか回らない、そんなぼやきが聞こえてきます。内部統制報告で及第点が取れるかどうか、大いに心配されているところです。

 ここ数年、COSOフレームワークだの、J-SOXだの、米国直輸入の概念が喧伝され、企業の担当者は「知らぬは恥」とばかりにそれらに振り回されてきました。その姿を見ると、戦後、米国のクルマ、クーラー、カラーテレビの3Cにあこがれて、必死に追いつこうとした姿とダブってしまいます。

 米国には米国の事情があり、米国流の対応をしてきました。ドイツやフランスなどのヨーロッパ諸国にもそれぞれの事情があり内部統制とは少々異なるガバナンスシステムを導入しています。

 この点金融庁も、八田先生も実に明快に「日本型内部統制を作るべきだ」といい、米国SOX法の直輸入の弊害を指摘し、違いを強調しています。米国の内部統制が、アメ車のような超大型乗用車だとすれば、我が国の内部統制は燃費の良い軽乗用車といった具合です。

でも、アメ車は車庫に入らない?

 企業法務、内部統制プロジェクトの面々は、大変素直で勉強熱心です。知らないことがあれば何でも勉強して理解しなければならない、と思っています。

 そして米国発の無尽蔵のビジネス提案に翻弄され、頭の中まで米国化しています。その結果、コンサルさんの作り上げた内部統制の図柄を丸呑みして、導入を進めようとするのです。まさにアメ車がいいと信じているのです。

 こうして、勉強熱心な方々を中心に米国型「内部統制を作ろう」とするわけです。きれいな図柄の、完成された図柄のとおりの内部統制を作れるものと信じて、まい進しようとするのです。しかし、残念なことにきれいな図柄と現実の姿の乖離が激しく、たちまち破綻します。我が国には到底導入できない代物なのです。ところがすでに社長の同意を得てしまっていますので、強引に命令して、進めるほか無いという訳です。

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著者プロフィール

  • 牧野 二郎(マキノ ジロウ)

    牧野総合法律事務所 弁護士。1995年にインターネットに出会い、翌年、ホームページ「Internet Lawyer 法律相談室」を開設して話題になる。 制度整備を通して、情報社会のあり方、自己実現の方法など、積極的な係わりを提言している。日弁連情報問題対策委員会委員。文書の電磁的保存等に関する検討委...

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