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進化するシステムに対してSIの工業化とフロント統合で対応~日立製作所 尾花学氏

  2009/11/17 07:00

ビジネスモデルの急激な変化に対応するため、業務システムのイノベーションのあり方とは? BPM(Business Process Management)を考える上で、SIの工業化とフロント統合をキーワードにしたソリューションが鍵になる。

システムのイノベーションに必要な2つの実行基盤

 尾花氏はまず、ビジネスモデルの進化を説明するにあたって、レンタルビデオを例にして店舗型のサービスから宅配、配信ビジネスへ変化していく過程を説明。ビデオやDVDのレンタル店は、店舗にレンタル商品を並べることでサービスを展開する。

 必要なシステムは顧客管理、在庫管理、財務管理などだ。この状態で、サービスレベルの向上や業務効率の向上を考えたとき、顧客の来店の手間や品切れの問題への対応、効率的な在庫管理や効果的な広告展開などのニーズが生まれるというわけだ。

日立製作所 ソフトウェア事業部 AP基盤マーケティング部 部長 尾花学氏
日立製作所 ソフトウェア事業部 AP基盤マーケティング部 部長 尾花学氏

 さらに次の段階で、ネット予約による宅配方式のモデルが生まれてくる。これによって、カタログや広告をインターネット経由で顧客に送信し、注文もネット経由となる。在庫の集約も可能になり、サービスレベルの向上と業務効率の改善が図られる。

 ただし、ここでインターネット経由の受注管理、集約された在庫による在庫管理の大規模化、宅配業者への発送管理など、新たなシステムも必要になってくる。これが、デジタル家電などへのオンデマンド配信になれば、在庫管理はコンテンツ管理になり、発送システムが配信システムへと変化し、ユーザーの認証や課金管理なども必要になっていく。しかもこのような進化は、近年スピードアップする傾向にある。

 以上のようなビジネスモデルの進化に対して、業務システムの改修や拡張をしていかなければならないわけだが、尾花氏によれば、「このときのシステム進化の流れを横軸にとり、縦軸にユーザーの価値観やニーズ(借りたい<行きたくない<すぐ見たい)をとったとすると、システム進化のカーブは右上がりになるが、リニアでなく段階的になる」という。

 なぜ、ユーザーのニーズに対してリニアにならないかというと、企業の基盤(コアコンピタンス)は容易に変えるべきものではないし、蓄積されたノウハウや資産の活用も現実的には重要なので、システムをアドオンの形で拡張していくからである。

 これらの事実を踏まえ、尾花氏は、「システムのイノベーションには、修正しながら維持すべき実行基盤と、新しい価値観(サービス)を生み出すための取り組みや仮説検証を行うための実行基盤の2本立てでいく必要がある」と述べる。

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著者プロフィール

  • 中尾 真二(ナカオ シンジ)

    フリーランスのライター、エディター。 アスキーの書籍編集から始り、翻訳や執筆、取材などを紙、ウェブを問わずこなす。IT系が多いが、たまに自動車関連の媒体で執筆することもある。インターネット(とは言わなかったが)はUUCPのころから使っている。

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