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第5回 自分が実際に管理するならどっちを使いたい? Hyper-V vs VMware 統合管理ツール対決

  2010/02/02 07:00

Hyper-V 2.0ホストの管理

 一つ目の新機能は、管理対象ホストの拡大です。前バージョンでは、Hyper-V 1.0、Virtual Server 2005 R2、そしてVMware vCenter Server管理下のVMware ESXというマルチプラットフォームを統合管理できるという特徴がありましたが、その対象にHyper-V 2.0が加わりました。仮想マシン作成などの基本的なタスクであれば、対象プラットフォームを問わず同一の操作感で実行できます。

 なおリリースノート上でのVMware製品に対するサポートは、ESX 3.5とvCenter Server 2.5の組み合わせまでとなっています。最新バージョン(ESX 4.0およびvCenter Server 4.0)へのサポートは明記されていませんが、前バージョンと同等の機能レベルであれば管理可能です。

 一方のVMware vCenter Server 4.0では、現在のところ他社製仮想化ソフトウェアをサポートする計画はないようです。

表2: 統合管理ツールのサポート対象ホスト
表2: 統合管理ツールのサポート対象ホスト

Live MigrationなどHyper-V 2.0新機能のサポート

 二つ目の新機能は、Live MigrationなどのHyper-V 2.0新機能をサポートしたことです。SCVMM 2008 R2がなくても、フェールオーバークラスターマネージャー(OS標準ツール)を利用することでLive Migrationを実行できます。しかし、仮想マシンの作成や管理は「Hyper-Vマネージャー」、Live Migrationの実行は「フェールオーバークラスターマネージャー」と複数のツールを組み合わせなければいけないため、運用が煩雑になりがちです。

 SCVMM 2008 R2を導入すると、多くの操作を単一コンソール上で実行できるようになり、運用管理コストの圧縮につながります。

図2: SCVMM 2008 R2における仮想マシン関連操作
図2: SCVMM 2008 R2における仮想マシン関連操作

 ただし現行バージョンのSCVMMでは、OS標準ツールで提供されるすべての機能を網羅しているわけではありません。日常の運用作業で求められる機能は一通り実行できるものの、たとえば表3のような操作は、SCVMM導入後もOS標準ツールを利用する必要があります。

表3: SCVMM 2008 R2未対応機能の一例
表3: SCVMM 2008 R2未対応機能の一例

 一方のVMware環境では、上記で示したような操作はほぼすべてvCenter Serverから実行可能です。SCVMMの次期バージョンは2011年といわれていますが、最も改善が期待される項目の一つでしょう。

Quick Storage Migrationのサポート

 SCVMM 2008 R2では、Quick Storage Migrationと呼ばれる機能を新たにサポートしました。これはLive MigrationやQuick Migrationが仮想マシンを稼動するホスト(サーバー)を移行する技術であるのに対して、仮想マシンの実態となる仮想ディスク(VHDファイルなど)を別のストレージ領域に移行する技術です。本機能はHyper-Vマネージャーなどの標準ツールの組み合わせでは実行できず、SCVMM 2008 R2を利用した場合にのみサポートされます。

図3: Quick Storage Migration動作イメージ
図3: Quick Storage Migration動作イメージ

 なお”Quick” Storage Migrationという名称から予想できるように、Quick Migration同様、移行時に仮想マシンの休止が発生します。一方のVMware環境ではStorage VMotionと呼ばれる機能が提供されており、仮想マシンを停止させることなくストレージを移行できます。

 Storage VMotionと比較するとまだ一歩及ばないQuick Storage Migrationですが、前バージョンや物理環境に比べて大幅にLUNのメンテナンスが容易になったことは間違いないでしょう。


著者プロフィール

  • 前島 鷹賢(マエジマ タカマサ)

    Microsoft MVP for Virtualization - Virtual Machine 日本アイ・ビー・エム(株)に勤務。MicrosoftやVMware製品を中心としたx86インフラ環境の設計・構築に従事。特にWindowsサーバー/クライアント環境のシステム管理・監視、セキュリティ、サーバー仮想化などの分野を得意としている。   ※各記事は筆者の個人的意見を記載しているものであり、日本アイ・ビー・エムまたはその他関連企業の見解を代表するものではありません。

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