[比較10]: 統合管理ツール
Hyper-V/VMware ESXともに、仮想環境を管理する無償ツールが提供されています(表1)。
これら標準ツールでは、仮想マシンや仮想ネットワークの作成、仮想マシンへのコンソール・アクセスなど、1台のホストを管理するために必要な機能を実行できます。
“仮想環境がどのようなものなのか試してみたい”という用途であれば、ハイパーバイザーと上記無償管理ツールだけでも十分でしょう。しかし次のような運用は、標準ツールでは不可能もしくは困難なため、統合管理製品の導入を検討する必要があります。
- 2台以上のホストを統合管理し、仮想マシンをホスト間で移動または複製する
- 仮想マシンのテンプレートを作成し、新規仮想マシンをテンプレートから展開(プロビジョニング)する
- 複数のホストや仮想マシンで利用可能なファイル(ISOイメージなど)を、ライブラリとして管理する
- ホストおよび仮想マシンの監視を行い、ルールに基づいてアラートを上げる
利用形態にもよりますが、2台以上のホストが存在する環境では統合管理製品を導入したほうが、中長期的な運用コスト削減につながるでしょう。Microsoftでは「System Center Virtual Machine Manager (SCVMM)」を中心としたSystem Center製品群、VMwareでは「VMware vCenter Server」などの管理製品を提供しています。
統合管理ツールの概要や役割は以前の記事で解説していますので、そちらをご参照ください。今回は、最新バージョンの新機能や特徴に絞ってご紹介します。
SCVMMの最新バージョンは、2009年10月に出荷されたSCVMM 2008 R2です。基本的な仕組みや導入要件は前バージョン(SCMVMM 2008)から変化していませんが、いくつか新しい機能を提供しています。
- Hyper-V 2.0ホストの管理
- Live MigrationなどHyper-V 2.0新機能のサポート
- Quick Storage Migrationのサポート