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今後の成長への自信は回復するも、デジタル人材戦略などの課題が明らかに――PwC Japanが日本のCEO意識調査

今後12か月の世界経済の見通しおよび自社の成長に対する自信は、大幅に上昇

 今後12か月間で世界経済の成長が「改善する」と回答した日本のCEOは38%で、昨年の11%の3倍以上の水準となった。世界全体でも昨年の29%の2倍の水準となる57%に改善しており、日本のCEOの世界経済に対する見方は、世界のCEOと同様に大幅に上昇していることが分かった(図表1)。

 今後12か月間の自社の成長に対する自信について、「非常に自信がある」と回答した日本のCEOは、昨年の14%を10ポイント上回る24%に改善した。世界全体においても、昨年の38%を4ポイント上回る42%に改善しており、日本のCEOの自社の成長に対する自信も、世界のCEOと同様に上昇していることが読み取れる(図表2)。

図表1:【質問】今後12か月の世界経済の成長見通しについて教えてください(改善する、変動なし、後退する)。
[「改善する」と回答した割合(%)]
図表2:【質問】今後12か月の貴社の成長見通しについて教えてください。
[「非常に自信がある」と回答した割合(%)]

自社の成長に重要な国は世界のCEOと同様に米国、中国が上位を占め、両国への集中傾向が強い

 日本のCEOが今後自社が成長する上で重要視する上位3か国は、米国67%、中国61%、タイ20%で、昨年の米国61%、中国58%、タイ17%と同様の結果となった。

 世界全体でも、1位米国(本年46%、昨年43%)、2位中国(本年33%、昨年33%)で、米国と中国が上位2か国を占めており、日本のCEOが米国と中国を重視する傾向は、世界のCEOと同様に強まっている(図表3)。

図表3:【質問】今後12か月間で貴社全体の成長見通しに関して、最も重要なマーケットと考える3か国を挙げてください。
(自社が拠点を置く国を除く)

成長への施策としてM&Aを活用する日本のCEOが増加しているが、依然として米国との差が大きい

 今後12か月に、売上拡大や利益向上に向けて実行予定の施策について、日本のCEOの回答結果は、「本業の成長」92%、「コスト削減」59%、「戦略的提携やJV」46%、「M&A」41%、「一部事業売却や市場からの撤退」15%となった(図表4)。

 成長のためにM&Aを活用すると回答した日本のCEOは、昨年の36%を5ポイント上回ったが、米国(本年69%、昨年55%)とは依然として差が大きい実態が明らかになった。

図表4:【質問】今後12か月間に、売上拡大や利益向上に取り組む場合、どの施策を計画されますか。

日本や中国などアジア地域のCEOは、デジタル人材の獲得を懸念する傾向が強い

 デジタル関連で高度な能力を持つ、デジタル人材の獲得について聞いたところ、「非常に困難」と回答した日本のCEOは、「経営層」では33%、「従業員」では25%だった。

 世界全体では「経営層」23%、「従業員」22%、米国は「経営層」13%、「従業員」19%、中国・香港は「経営層」46%、「従業員」33%であり、日本と中国・香港などのアジア地域のCEOは、デジタル人材の獲得に対し懸念を強めていることが分かった(図表5)。

図表5:【質問】今後12か月間に、売上拡大や利益向上に取り組む場合、どの施策を計画されますか。

デジタル人材獲得のための施策には消極的

 デジタル人材を獲得・育成するための自社の取り組みについて聞いたところ、日本のCEOの回答は、「職場環境の整備」(11%)、「フレキシブルな働き方の実施」(11%)、「他社との協業」(18%)、「教育機関との協働」(11%)、「従業員の服装規定見直し」(5%)、「報酬・福利厚生制度の改善」(6%)という結果となった(図表6)。

 米国および中国・香港のCEOの回答は、「職場環境の整備」(米国50%、中国・香港50%)、「フレキシブルな働き方の実施」(米国37%、中国・香港47%)、「他社との協業」(米国23%、中国・香港47%)、「教育機関との協働」(米国21%、中国・香港41%)、「従業員の服装規定見直し」(米国18%、中国・香港35%)、「報酬・福利厚生制度の改善」(米国24%、中国・香港52%)となった。

 日本のCEOは、デジタル人材について強い懸念を抱いているものの、米国や中国・香港などに比べ、人材獲得に向けた施策の実施には消極的であることが明らかになった。

図表6:【質問】デジタル人材を獲得・育成するための、貴社の取り組みについてお答えください。
[「取り組んでいる」と回答した割合(%)]

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EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)

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