x86サーバーの出荷額は5四半期連続で前年同期比プラス成長
2018年第1四半期の国内サーバー市場は、2017年第1四半期以来、4四半期ぶりに、出荷額が前年同期比でマイナス成長となった。x86サーバーが、5四半期連続で前年同期比プラス成長、その他のサーバーが2桁のプラス成長となったが、メインフレームが2桁のマイナス成長となった。x86サーバーとその他のサーバーが、国内サーバー市場を牽引したが、市場全体のプラス成長には至らなかった。
x86サーバーは、出荷額が前年同期比3.2%増の1,009億円だった。クラウドサービスベンダーをはじめ、通信、製造、金融、文教向けの大口案件などがあり、プラス成長となった。出荷台数は、前年同期比0.1%増の13万8,220台。その他のサーバーは、出荷額が前年同期比10.3%増の97億円、出荷台数は22.0%減の1,030台だった。
その他のサーバーの出荷台数はマイナス成長だったが、出荷額がプラス成長となったのは、ハイエンドモデルの大型案件などがあり、その結果、その他のサーバーの平均単価が上昇したことによる。メインフレームは、出荷額が前年同期比28.2%減の168億円だった。前年同期にあった金融向けの大型案件などを補うほどの出荷が無く、2桁のマイナス成長となった。
IDC Japanエンタープライズインフラストラクチャ リサーチマネージャーの下河邊雅行氏は「今期は、x86サーバーとその他のサーバーがプラス成長であった。特にx86サーバーは、クラウドサービスベンダー向けの出荷が堅調で、顧客が、コンピュート処理を行うITインフラとして、パブリッククラウドを採用するケースが増加していることが背景にあると認識している。その一方で、クラウドサービスベンダー以外への出荷も底堅かったことから、顧客では、ハイブリッドクラウドの考え方が定着しつつあり、顧客が、自社にとって最適なコンピューティング環境としてオンプレミスのITインフラを継続採用するケースも少なくないと推察している。ベンダーは、顧客におけるサーバー更新ビジネスを確実に獲得するとともに、サーバーの追加や新規需要創出につながる提案活動を行い、自社の売上拡大を図ることが重要である」と述べている。
ベンダー別出荷額は富士通が1位、NEC、日本ヒューレット・パッカードの順
カンパニー別出荷額では、富士通が首位を獲得した。好調であった前年同期の反動で、今期は、全てのサーバーカテゴリーで、前年同期比2桁のマイナス成長となったが、市場シェアは確保し2四半期ぶりで首位に立った。
2位は、NEC。x86サーバーは、前年同期比でマイナス成長だったが、メインフレームは、官公庁、メディア向けの出荷がありプラス成長、その他のサーバーは3桁のプラス成長だった。3位は、日本ヒューレット・パッカード(HPE)。x86サーバーは、通信、製造向けの大口案件などがあり、2桁のプラス成長となった。その他のサーバーもハイエンドモデルの出荷などで、2桁のプラス成長。
4位は、デル。ネット企業向けの大口案件などがあり、2桁のプラス成長となった。5位は日立製作所。x86サーバーは、2桁のマイナス成長だったが、メインフレームは、金融向けの大型案件があり、2桁のプラス成長、その他のサーバーも、金融、サービス向けハイエンドモデルの大型案件などで、2桁のプラス成長だった。なお、ODM Directの出荷額は前年比、17.1%のプラス成長となり、3位のHPEに次ぐ規模になった。
出荷台数においては、富士通とNECが同率で首位を獲得した。3位以下は、HPE、デル、日立製作所の順。なお、ODM Directの出荷台数は前年比、22.7%のプラス成長となり、3位のHPEに次ぐ規模だった。
今回の発表は、IDCが発行した「国内サーバー市場 2018年~2022年の予測:2018年第1四半期」にその詳細が掲載されている。