オールフラッシュアレイは前年同期比23.3%増、ハイブリッドフラッシュアレイは同27.5%増
2018年第1四半期の外付型エンタープライズストレージシステム支出額のセグメント別内訳を見るとメインフレーム向けが56億7,100万円で前年同期比20.2%減、オープンシステム向けが463億1,100万円で同9.7%増となった。メインフレーム向けは2015年の大型更新のピーク以降、支出が低迷している。オープンシステム向けは、ハイエンドとミッドレンジがプラス成長となったことが貢献した。
2018年第1四半期の国内外付型エンタープライズストレージシステムでは、引き続き搭載メディアのHDDからフラッシュへの移行が進んだ。2018年第1四半期の国内外付型エンタープライズストレージシステム支出額のうち、オールフラッシュアレイ(AFA)は82億600万円で前年同期比23.3%増、ハイブリッドフラッシュアレイ(HFA)は199億2,700万円で同27.5%増となったが、オールHDDアレイは238億4,900万円で同11.8%減となった。この結果、2018年第1四半期の国内外付型エンタープライズストレージシステム支出額に占めるAFAの比率は15.8%(前年同期13.5%)に上昇した。
なお、IDCでは製品仕様上フラッシュしか搭載できない製品をAFAと定義しており、全てフラッシュにできてもHDDが搭載可能な製品はHFAに分類している。今期のHFAでは、フラッシュ搭載比率の高い出荷があった。
オールフラッシュアレイは個別用途に適した製品の需要も高まり多様化へ
2018年第1四半期における国内外付型エンタープライズストレージシステム売上額(Vendor Revenue)は494億7,300万円で、ベンダー別売上額の上位5社は富士通(シェア22.3%)、日立製作所(17.4%)、デル(11.8%)、NEC(10.8%)、ネットアップ(10.5%)だった。
IDC Japanエンタープライズインフラストラクチャ マーケットアナリストである加藤慎也氏は、「2018年第1四半期は、外付型エンタープライズストレージシステム支出額が前四半期以上に大きなプラス成長となった。引き続きオールフラッシュアレイ(AFA)が市場を牽引し、汎用的な製品に加え、データセンター向けなど個別用途に適した製品の需要も高まっている。すなわち、AFAは一般化する段階から多様化へシフトしつつある。一方、国内におけるオールHDDアレイの支出額は市場の半分弱を占めている。ユーザーは、ITインフラストラクチャの違いが自社のビジネスにどのように影響し得るか、再考すべきである」と分析している。
今回の発表は、IDCが発行した「国内エンタープライズストレージシステム市場 2018年第1四半期の分析」にその詳細が報告されている。