オーケストレーション機能「RSA NetWitness Orchestrator」
「RSA NetWitness Orchestrator」は、セキュリティ機器をオーケストレーション(セキュリティ機器間でデータ連携させ対応手順を自動化)して、インシデント対応を効率化するソフトウェアになる。様々なセキュリティ機器から生成されるアラートを連携させ、定型的な対応手順に沿ってケースマネジメント(インシデントの対応と管理、報告)を自動化する。
ケースマネジメントは、ビジュアル表現されたプレイブック(ベストプラクティスに基づいた手順書)に沿って、証拠の保全、外部の脅威情報との照合、IPやドメインの照合などを自動的に行う。独立して散在する関連情報(各セキュリティ機器で得られるシステム情報、類似のインシデント、ログやパケット、メモリーなど)やダッシュボード、レポートを一元化する。点と点を人手で線にしていく作業とも例えられるインシデント調査全体を自動化により効率化し、運用の負荷を低減させるという。
既知の攻撃は自動的に対処し、アナリストは未知の攻撃の調査に時間を多く取ることができる。調査のためのコラボレーションツールとしてCLIベースのチャットやDbot(チャットボット)、WarRoom(ある事案の解決に向けて関係者が集うバーチャル作戦室)もある。
統合セキュリティ運用と自動化テクノロジーで、ケースマネジメント全体にインテリジェントな自動化とオーケストレーション、コラボレーティブな調査能力が備わるという。これにより、アナリストは矛盾や重複のない、透過的で文書化されたインシデント調査と、脅威のハンティング能力が向上し、従来に比べて迅速な対処につながるという。
「RSA NetWitness Platform 11.1」で加わった無償コンポーネント
最新版では、新たに2つのコンポーネントが無償で提供される。
・RSA NetWitness UEBA Essentials
ラテラルムーブメントや不正なログインを検出するテンプレート集。これまで運用者が自作することもできたが、このテンプレートはベストプラクティスに基づいており、カスタマイズやチューニングが不要のため、それらの開発の手間や時間を省ける。ユーザー、ネットワーク、エンドポイントからの行動プロファイリングを活用して、ユーザーとエンティティ(ユーザー全体)のふるまいの違いに着目してルールベースで検知、相関分析を行う。
・RSA NetWitness Endpoint Insights
エンドポイントをリアルタイムでスキャンして、収集したイベントログからエンドポイントのプロセス状況やシステムの情報、エンドユーザーのふるまい、Windowsのイベントログを収集するエンドポイント用エージェント。「RSA NetWitness Endpoint」(別売)を導入していない環境でマルウェアの感染有無、マルウェアの活動状態がタイムリーにわかる。