日本マイクロソフトは、日本政府の示した社会ビジョン「Society 5.0」や、政府の情報化についての「クラウド・バイ・デフォルト原則」(クラウドサービスの利用を第一原則にするというもの)に沿うものとして、新たに支援プログラムを開始する。
Microsoft Azure、Microsoft 365、Dynamics 365 を、パートナー企業による多種多様なソリューションや導入支援サービスとともに、公共機関に提供し、様々な支援活動を実施する内容となる。
プレス向けにおこなわれた発表会で、日本マイクロソフトの佐藤知成氏は、本プログラムについて「米国本社やお客様、自治体関係者や各公共セクタと十分議論を重ねてきた」とコメント。「Society5.0」に示される超スマート社会に対して、マイクロソフトのテクノロジーによって全力で取り組むと語った。
佐藤氏は「人の一生に寄り添う日本マイクロソフトの取り組み」として、人の誕生から幼児期、学生、青年から老年に至るまでの家庭のすべてにマイクロソフトのサービスが関わるものとして、各地方自治体や公共団体でおこなわれているプロジェクトに事例を紹介した。
グローバルでは欧米、アジア諸国での公共機関でのクラウドの取り組みは日本よりも先進的であるが、それらの知見を今後本格化する日本の公共機関のクラウド化に適用していくという。
また、常務執行役員の光延裕司氏は、「クラウドに関してのセキュリティの問題は解消されているにもかかわらず、公共分野での利用については感情面での不安がまだある。しっかりとセキュリティでの安心とメリットを伝えていくことが課題」だという。セキュリティ監査で最高等級を取得していることや、国際認証や各省のガイドラインへの適合などについても訴求していく考えだ。
公共機関およびパートナー企業向け人材育成プログラム
2020年までに、公的機関やパートナー企業の4万名を対象に、「公共機関におけるクラウド人材育成プログラム」を無償で提供する。具体的には、1)公共機関向けパブリッククラウド活用トレーニング、2)PaaS / IaaS ハンズオン、3)AI/IoT活用トレーニングといった内容となる。
公共機関向け災害対策支援
マイクロソフトは、これまでも東日本大震災や熊本地震、西日本豪雨などの自然災害により被災された地域の復旧・復興支援活動をおこなってきた。そうした活動のノウハウや知見がかなり蓄積されてきたこともあり、今後、災害対策セミナーや、Office 365 を利用した情報連携を実際に体験するワークショップを開催する。
また、今後、希望する公共機関に対して災害対策支援協定(仮称)の締結を行い、最適な災害対策や防災体制のあり方を協議、構築の支援を行うとともに、災害時を想定した防災訓練などにおけるクラウド活用をサポートする。
社内体制として公共機関向けエキスパート200名を育成
政府の「クラウド・バイ・デフォルト原則」のガイドラインに準拠した200名のクラウドエキスパートを育成する。クラウド検証、提案シナリオやスキルを身に付けるために、新たな社内研修などを行い、公共機関向けクラウドエキスパートとなって、公共機関のお客様のクラウドサービス導入を支援する。
パートナーソリューションの開発
働き方や住民支援、手続きのオンラインサービスなどの公共機関向けの分野で、100のパートナーソリューションを今後提供していく。すでに、アクセンチュア、NTT西日本、NEC、NTT東日本、富士通などとのパートナーの賛同を得ているが、今後もさらに拡大する。
最後に光延氏は、マイクロソフトの平野社長が今年8月に発表した「日本でNo.1のクラウドベンダーになる」という経営方針に触れ、公共機関システムにおいてもNo.1クラウドプロバイダーをめざす」という決意を示した。