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国内エッジコンピューティング市場、通信事業者は環境配備を検討するも、商用化には時間を要する――IDCが分析

ビッグデータ処理の経済性向上を目的にエッジコンピューティング活用指向が増加

 IoT(Internet of Things)技術で広域に分散したモノや人をICTで連携させ、社会やビジネスの効率を高めるためには、IoTデバイスの近くでコンピューティング処理を行うエッジコンピューティングが必要であるという認識が広がりつつある。

 また最近は、IoTデバイスで収集した膨大なデータ(ビッグデータ)をAI(Artificial Intelligence)などで分析する取り組みが増加している。たとえば、自動車分野では、車の周囲の状況を把握する車載センサーや運転者の表情を分析する車内のカメラなどから収集する膨大なデータを分析し、運転支援や自動運転などに活用する取り組みが行われている。

 エッジコンピューティング活用の主なメリットとして、通信コストの削減、接続が良くない環境でのコンピューティング機能の利用、ネットワーク遅延の減少、セキュリティ/プライバシーの向上、非力なデバイスからの高負荷処理のオフロードなどが挙げられる。

 しかし、今回の調査では、エッジコンピューティングに取り組むサービス事業者への取材などから、特に、通信コストの削減を含む、IoT関連のビッグデータ処理(データ収集、フィルタリング、加工、分析、蓄積など)の経済性向上を目的に、エッジコンピューティングを活用したいと考える企業が増えていることが分かった。その背景として、これらの企業にとってビッグデータ処理にかかるコストが大きな課題になっていることが挙げられる。

 ビッグデータの処理については、これまで主にクラウドで行うのが有効であると考えられてきた。しかし、メッセージング、ストリームデータ処理、イベント処理、データレイク、機械学習などクラウドと同様のビッグデータ処理機能をエッジにも持たせ、エッジとクラウドで処理を分担することによって、通信やデータ保管などデータ処理に関連するコストを低減できる可能性がある(図参照)。

参考資料:エッジとクラウドで分担するデータ処理(作成:IDC Japan)

クラウド事業者、CDN事業者はデータ処理を行うプラットフォーム配備に取り組む

 主なクラウドサービス事業者は、このようなデータ処理機能を持つプラットフォームをエッジに展開する取り組みを進めている。また、CDN(Content Delivery Network)事業者も、広域ネットワーク内で同様のデータ処理を行うプラットフォームの配備に取り組んでいる。

 これらの先行するエッジプラットフォームプロバイダーには、商用版を早期に市場投入することによって企業のイノベーションを支援し、その経験を基にさらに高度なイノベーションプラットフォームを開発する狙いがある。

 一方、国内通信事業者も、自社の広域ネットワーク内へのエッジコンピューティング環境の配備を検討している。しかし、通信事業者では、ユースケースやビジネスモデルの展望を描く難しさなどから、その商用化には時間を要するとIDCではみている。

 IoTのビッグデータ処理では、エッジデバイスとクラウド間の通信とデータ処理を、遅滞なく効率的に行うことが求められる。

 IDC Japan コミュニケーションズ リサーチマネージャーである小野陽子氏は、特に通信事業者の取り組みについて、「通信事業者にとって、データのフィルタリング、加工、分析、蓄積などのデータ処理プラットフォームを、広域ネットワーク内にどのように配備するかは、非常に重要である。これは、先行するプラットフォーム事業者との競争と協調に関する戦略課題でもある」とコメントしている。

 今回の発表は、IDCが発行したレポート「2018年 国内エッジコンピューティング市場分析:通信事業者のエッジコンピューティングはビジネスとして成立するか」にその詳細が報告されている。

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