働き方改革の支援をSaaSで提供。
チームスピリットは今年(2018年)の8月に東証マザースに上場。受注が堅調に推移し、売上高は約12.3億円、前期比59.4%の増と当初計画を達成した。さらに今期から将来への投資をおこないながらも損益分岐点を突破し、利益も当初計画を達成した。
成長の基盤となっているのは、サブスクリプション型のB2B SaaS事業で、契約ライセンス数は14万、契約者数は970万以上を実現しており、今後はさらに成長を加速し、5年後には売上100億円、契約ライセンス数100万をめざすという。
同社のクラウドサービスは、経費精算、勤怠管理、工数管理などの企業の間接業務を支援するものだが、特長はそれらがシームレスに一体化し、ワークフローとして円滑に利用できることにある。セールスフォースのプラットフォーム上でフロントのアプリからのデータは連携され、バックエンドはすべてのERP製品と連携が可能となる。
荻島社長は、従来の「TeamSpirit」のこうした特長が、企業の間接業務を低減し、かつ働き方の可視化などによるビジネスモデルの改革に貢献してきたことを述べ、「世界で通用するB2B SaaSブランドになり、働き方改革ソリューションでNo.1となる」と自信を示した。
そのための戦略として、顧客への働き方改革に関するコンサルティングサービスを提供する。これは単なる製品サポート型ではなく生産性向上のためのプロフェッショナルサービスをおこなうというもの。
もうひとつが、今回発表された新製品「TeamSpirit WSP」だ。
連携を強化した新製品「TeamSpirit WSP」
「TeamSpirit WSP」は従来の「TreamSpirt」の各アプリケーションの連携性をさらに高め、1日の作業をプランニングする「プランナー」を起点にカレンダーや工数管理、経費精算への反映をおこなう。
従来もカレンダー機能との連携は可能だったが、業務の計画段階から終了後の工数やコスト計算、タイムマネジメントとの連携がさらに強化されている。
「従来のTeamSpiritの新バージョンというよりは、別の製品ライン」(荻島社長)であり、より大企業にフォーカスしたソリューションだという。
正式発表は2019年春になるが、カゴメでは採用が決定し、すでに工数管理や残業時間管理などを目的に選考導入がおこなわれている。
たとえば、スケジュールに記載した内容と勤怠や経費精算との間に矛盾が生じた場合は、入力時点で知らせたり、不正管理のための管理職のチェックなどの非生産性業務を大幅に削減し、コンプライアンスの向上にも役立つという。
セールスフォース・ドットコムのプラットフォーム上で構築されたサービスであることから、今後は同社の人工知能「Einstein」を活用し、さらに機能を強化していくという。