データ管理の非効率は、従業員の生産性、ビジネスの収益性に重大な影響を及ぼす
従業員は、データを探すのに平均して1日あたり2時間を浪費しており、その結果、従業員の効率は世界、日本ともに平均で約16%低下している。逆に、日常的なデータ管理の効率化に投資を行っている企業は、結果としてコストを削減し、従業員の生産性を向上させている。
具体的には、データ管理のために効率的な投資をしている企業の
- 約70%(世界平均)/約65%(日本)がコストを削減
- 約69%(世界平均)/約54%(日本)が従業員の生産性を向上
データ管理プロセスの問題は、ビジネス機会と収益の逸失につながる
調査対象企業のほとんど(97%)が、データ管理プロセスが効率的でなかったために貴重な機会を逃してきたと考えている。実際に、約3割以上(世界平均34%/日本30%)の企業が新たな収益機会を逸失したことを認め、さらに 約4割の企業(世界平均39%/日本40%)が非効率なデータ管理プロセスのため、運用コストが増加したと回答している。
そして、驚くべきことに、回答者はデータ管理プロセスに関する問題のために、自社が年間200万ドル以上(世界平均209万ドル/日本239万ドル)を失っていると推定している。
ベリタスの代表執行役員社長の大江克哉氏は、「データの保存場所や保護状態が不明確な状態が日常化すると、俊敏性の低下、セキュリティ脅威に対する脆弱性、生産性の急速な低下、最高幹部レベルを含む意思決定の鈍化という結果に至ります」とデータ管理が至らない場合のリスクを指摘している。
さらに、「企業が今日のデジタルエコノミーにおいて発展するには、データ資産全体を完全に可視化し、管理できるソリューションの導入が必要です。リスクの特定と機会発掘が可能になれば、データはその真の価値を発揮してくれるはずです」とデータ管理の徹底を訴えている。
経営陣の理解不足、ツール/プロセス/教育不足がデータ管理のROI向上を阻む
調査対象企業では、データ管理プロセスを改善するための投資1米ドルごとの収益は世界平均で2.18米ドル(日本1.92米ドル)と試算しており、ROI(投資収益率)は118%だ、圧倒的多数(世界平均82%/日本80%)の企業がROIのさらなる向上を期待している。
期待通りのROIを達成したと回答した企業は、15%(日本14%)にとどまり、達成したROIが期待を上回ったと回答した企業はわずか1%(日本0%)だった。
ROIの改善を阻む主な要因としては、以下のような点が挙げられている。
- 効率的なデータ管理プロセスをサポートする適切なテクノロジーの不足(40%)
- 社内プロセスの不足(36%)
- 従業員の参画またはトレーニングの不足(57%)
- 経営陣からのサポートがない(33%)
データ管理への投資は企業の保護と成長につながる
データの管理に投資している企業のうち、約8割(世界平均81%/日本80%)が、すでにデータコンプライアンスが向上し、セキュリティリスクが軽減していると回答しており、70%(日本66%)がコスト削減を実現したと回答している。また、69%(日本68%)の企業で、データ管理を効率的にするための投資が新しい収益源や市場機会を開拓している。