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エフセキュア、革新的リサーチプロジェクトを始動 集合知技術を活用し適応型自律AIモデルの作成を目指す

  2019/11/27 13:00

 フィンランドのセキュリティ企業エフセキュアは2019年11月22日、同社の脅威検知、対応技術で現在使用されている分散型人工知能 (AI) メカニズムをさらに推進するため、新たなリサーチプロジェクト「Project Blackfin」の開始を発表した。

 同プロジェクトは、AIとサイバーセキュリティのリサーチャー、数学者、データサイエンティスト、マシンラーニングのエキスパート、エンジニアなどでチームを構成。概念化された研究構想に基づき群知能などの集合知技術を活用し、適応型自律AIモデルの作成を目的としている。自然界に見られる集団行動から着想を得、アリの巣や魚の群れに似た群知能など集団知能技術を活用するに至った。単一の集中型AIモデルから指示を受け取り、共通の目標達成に向けて個々のホストで実行及び相互通信をして作業を行う知的エージェント(IA)を開発する。

 エフセキュアのAI担当バイスプレジデントであり、同プロジェクトを率いるマッティ・アクセラ氏は「高度なマシンインテリジェンスは人間の知能を模倣するという人々の意識が、むしろAIの能力に制限をかけてしまっている。AIを人間の代替品として構築するのではなく、マシンインテリジェンスの持つユニークな可能性を解き放ち、人々の行動をどのように強化できるかを模索すべきだ。1つの集中型AIが意思決定を行う代わりに、共同作業中自分の環境に適応する高速ローカルAIのコロニーがある。私たちはProject BlackfinによってAIが達成する次のレベルの理解に到達を目指す」としている。

 同社によると、集合知技術などに基づき開発することによって、IAはローカルホストおよびネットワークから観察した内容に基づいてシステム保護を学習する。様々な組織や業界で学習した観察と緊急行動データによって、さらに強化される。知的エージェント(IA)は完全なデータセットの共有をすることなく、情報ネットワークの可視性と洞察といったメリットの活用が可能になるという。

 このプロジェクトはリソースの削減を実現し企業や組織のIT資産コストパフォーマンス向上に寄与するほか、機密性の高い情報のクラウド及び製品テレメトリ経由での共有/漏洩を回避も可能とする。また、エフセキュアでは既にプロジェクトを通じて開発されたODI (オンデバイスインテリジェンス) メカニズムを同社の侵害検知ソリューションに実装しているという。

 さらに、同プロジェクトの射程は企業のセキュリティソリューションやサイバーセキュリティ業界だけに留まらない。エフセキュアのCROであるミッコ・ヒッポネン氏は「侵害や攻撃を検知するだけでなく、コンピュータネットワーク、または送電網や自動運転車などのシステムの全体的な健全性、効率、有用性を監視するAIエージェントとしての活躍を想像しています。このリサーチは何よりも、AIが私たちの生活や仕事を奪う脅威だという誤解を変えるために大いに役立つと考えています」と話している。

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著者プロフィール

  • EnterpriseZine編集部(エンタープライズジン ヘンシュウブ)

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