米Kasperskyの調査チームは、2020年第1四半期(1~3月)のDDoS攻撃に関する調査結果を公開した。
同調査チームが5月6日(現地時間)に公開した最新のDDoS攻撃に関するレポートでは、2020年第1四半期はDDoS攻撃の総数が増加。同期間中に「Kaspersky DDoS Protection」が検知およびブロックした攻撃数は、2019年第4四半期(10~12月)と比較して2倍となり、2019年第1四半期との比較では80%増加している。
攻撃時間の平均も延びており、2020年第1四半期は前年同期比で25%長くなった。
教育関連のリソースや、市など行政機関の公式Webサイトへの攻撃の増加が顕著であり、2020年第1四半期におけるこれらのWebリソースへの攻撃は、前年同期と比較して3倍になっている。また、2020年第1四半期の全DDoS攻撃の19%を占めた。
同社のリサーチャーは、多くの学校や大学がオンラインで授業を公開していること、人々が新型コロナウイルス感染症やその対策について、精度の高い情報を求めて公式の情報源に当たることを見込んで攻撃を仕掛けている可能性があると予測する。
Kasperskyは、このようなDDoS攻撃の増加から企業や組織を守るために、予想外にトラフィックが増えたとしても、必ずしもDDoS攻撃とは限らないのでパニックに陥らないことを推奨している。また、自社のインフラストラクチャに対し耐障害分析を実施して弱点になっているノードを見極め、その信頼性を高めること、一般に公開されていないサービスでもDDoS攻撃に対する保護を検討することも挙げている。