レッドハットは、7月14日、NTTドコモがエンドユーザー向けISPサービス提供基盤「CiRCUS」「MAPS」を含むシステムに、レッドハットの自動化プラットフォーム「Red Hat Ansible Automation Platform」を導入したと発表した。NTTドコモは、「Red Hat Ansible Automation Platform」の導入によって、「CiRCUS」「MAPS」で活用している1万以上の機器の自動化を図る。
「Red Hat Ansible Automation Platform」は、大規模な自動化の仕組みを構築・運用するための拡張可能なエンタープライズ向けソリューション。サーバ、ネットワーク、ストレージ、クラウド、セキュリティ、アプリケーションの構成管理、プロビジョニング、デプロイといった、あらゆるITプロセスを自動化できる。
NTTドコモでは、サービス共通基盤となる「CiRCUS」「MAPS」について、5G時代を迎えて多様化するサービスへの追随と、顧客基盤の拡大・成長によって増大するトラフィックの両面に対応するため、システムの柔軟性や拡張性のさらなる向上が求められていた。こういった課題を解決すべく、「Red Hat Ansible Automation Platform」の採用を決定した。
同社は、「Red Hat Ansible Automation Platform」の拡張性の高さをはじめ、他社の自動化製品と比較してセットアップが容易であることを評価し、今回の採用に至っている。また、2015年に「CiRCUS」「MAPS」のクラウド基盤として「Red Hat OpenStack Platform」を採用し、トータルコストの削減、既存システムとのスムーズな連携を実現した実績も評価された。
NTTドコモは、「Red Hat Ansible Automation Platform」によってストレージやサーバ、ネットワーク、OSのセットアップや更新、設計といった作業においてインフラ開発の自動化を図る。デリバリースピードの短縮も見込んでおり、自動化と社内の制度やプロセスも見直していくことで、今後数年間でデリバリー期間を半分以下に短縮できると試算している。
現在、同社はOSインストール、仮想マシンの払い出し、アプリのテスト~デプロイの自動化に向けて、手順書であるPlaybookへの落とし込みを進めている。こういった自動化に向けたプロジェクトでは、レッドハットのコンサルタントが方向性を示すとともに、NTTドコモに対して具体的なノウハウを提供する。
レッドハットのコンサルタントは、「CiRCUS」「MAPS」で実行していた作業の「Red Hat Ansible Automation Platform」への落とし込みをはじめ、実作業を通じて生じる個々の問い合わせに対応し、プロジェクトを通じてスキルの移行を図っている。
NTTドコモは、同プロジェクトを通じてインフラ開発・運用コストを抑え、競争力強化に向けた投資を拡充していく。