米現地時間9月9日、IBMは「IBM Watson Assistant」にAIとオートメーションの新機能を追加したことを発表した。
今回の新機能は、あらゆるチャネルの顧客体験(電話、Web、SMS、メッセージング・プラットフォームなど)を介して顧客に適切な回答をより早く提供できるよう設計されているという。また、IntelePeerとの新しいコラボレーションにより、音声エージェントをセットアップし、テストの実施が可能に。さらに、新しいエージェント・アプリの利用も実現したとしている。
具体的な機能
音声機能をWatson Assistantに追加
IntelePeer「Atmosphere Communications Platform」がWatson Assistantで利用可能になっている。PlusもしくはEnterpriseプランのユーザーは、音声機能や、仮想エージェントの新しい電話番号をスムーズに設定できるという。また、IBM Watson Assistantでは、IntelePeerを活用しながら、SIP2を使用する、ほぼすべての大手コンタクト・センターのプラットフォームにコーディングなしで、30分での接続が可能だとしている。
Watson Assistantの検索スキルで、ファースト・コンタクトで問題を解決可能に
Watson Assistantの検索スキル機能に、IBM Researchの質問応答(QA)システムをベースとした、ショートアンサー検索を追加したという。これにより、質問文の一節が長くても、質問への回答が含まれる文脈のまま、数単語での回答が可能だとしている。また、FAQ抽出は、管理者が手動で定期的に更新することなく、情報ソースを活用しながら仮想エージェントを最新の状態に維持することができるという。
新しいエージェント・アプリで引き継ぎをシームレスに
Watson Assistantの新しいエージェント・アプリ機能は、仮想エージェントが中断したところから、カスタマー・サービスのエージェントに顧客を引き継ぐことができるよう設計。顧客から入電があると、OOTB3のIBM音声検出モデルにより、会話がほぼリアルタイムで音声文字変換されるという。
同データおよびAI部門のゼネラル・マネージャーであるダニエル・ヘルナンデス(Daniel Hernandez)氏は、「現在、ほぼすべての企業が直面している重要な課題として、顧客や従業員とのコミュニケーションをあらゆるチャネルにおいて改善する必要があることが挙げられます。私たちは、企業の皆様がWatson Assistantでカスタマー・ケアに変革をもたらすことができるよう、自然言語処理やオートメーション、責任あるAIの促進において新たなイノベーションを継続的に提供し、IntelePeerなどのパートナー様と強力でオープンなエコシステムを構築しています」と述べている。
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