バラクーダネットワークスジャパン(以下、バラクーダネットワークス)は、調査レポート「2021年のネットワークセキュリティの状況」を発表した。本レポートは、組織のネットワーク、パブリッククラウド、セキュリティを担当する750人のIT意思決定者を対象に、クラウドの導入、在宅勤務、セキュリティへの懸念など、サイバーセキュリティリスクに関連する様々な問題や課題についての見解を調査したという。
今回の調査では、ネットワーク侵害、ランサムウェア攻撃、リモートワークなどの課題により、クラウドネイティブなSASE(Secure Access Service Edge)導入の必要性が明らかになったとしている。主な調査結果は下記の通り。
- 調査対象者の81%は、自分の組織が過去1年間に1度、セキュリティ侵害の被害に遭ったと回答している
- 在宅勤務が多い企業のネットワークセキュリティ侵害率は85%と、オフィス勤務が多い企業の侵害率が65%であったのに比べ、著しく高い結果となった
- 調査対象者の74%が、過去1年間に少なくとも1回のランサムウェア攻撃の被害に遭ったと回答している
- 現在、調査対象企業で、常にオフィスで仕事をしている従業員は、平均して14%に過ぎないという
- 会社から支給されたデバイスを使用している回答者の94%が、自宅のインターネット回線を他の世帯と共有しており、侵害のリスクは残っている
- パブリッククラウドにすべてのアプリをインストールしている企業のほぼ4分の3(73%)は、既にSD-WANを導入。これは、パブリッククラウドにアプリが少ない企業(37%)の2倍だという
- パブリッククラウドにすべてのアプリをインストールしている企業の68%がZTNAを展開しているが、パブリッククラウドにアプリが少ない企業の38%だけがZTNAを展開している
- 企業では、平均して31のSaaSアプリケーションが導入されている。
- 回答者は、平均してトラフィックの64%がパブリッククラウドプロバイダに向けられていると答えた
同データ、ネットワークおよびアプリケーションセキュリティ/エンジニアリング担当SVPである、Tim Jefferson氏は、「企業は、ハイブリッドな職場環境への適応にともない、高レベルのネットワーク侵害を経験し、接続性やセキュリティに関する継続的な課題に直面しています。しかし、SaaSアプリケーションやパブリック・クラウドに移行することで、ユーザー・エクスペリエンスとセキュリティの両方が向上することに気づき、新しいSASE技術を採用し始めています」と述べている。
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