エイトレッドは、東京・大阪・愛知を除く全国の中小企業(従業員数30名~300名未満)の経営者・役員141名に対し、「地方中小企業のDX実態」に関する調査を実施した。
DXの推進状況、56.8%の企業が「進んでいない」と回答
「Q1.あなたの会社におけるDXの推進状況を教えてください。」(n=141)と質問したところ、「あまり進んでいない」が29.1%、「全く進んでいない」が27.7%という回答となったという。東京版に対し「かなり進んでいる」は2.5ポイント少ないものの、「全く進んでいない」も8.5ポイント少なく、ほとんど状況は変わらない結果だとしている。
- かなり進んでいる:5.6%
- やや進んでいる:20.6%
- あまり進んでいない:29.1%
- 全く進んでいない:27.7%
- わからない:17.0%
2022年度のDX予算、2021年より「増加する」企業は33.3%
「Q2.あなたの会社では、2022年度に向けてDXのための予算を2021年より増加する予定ですか。」(n=141)と質問したところ、「かなり増加する」が7.1%、「やや増加する」が26.2%という回答となったという。東京版に対し、「増加する」は10.1ポイント高い結果に。地方中小企業の方が今後のDX推進に積極的な姿勢があることがわかったとしている。
- かなり増加する:7.1%
- やや増加する:26.2%
- あまり増加しない:22.0%
- 全く増加しない:20.6%
- 答えられない:3.5%
- わからない:20.6%
現在導入しているツール、「グループウェア」が36.9%「オンライン会議・テレワーク」が34.0%
「Q3.あなたの会社で導入しているツールについて、当てはまるものを全て教えてください。(複数回答)」(n=141)と質問したところ、「グループウェアを導入している」が36.9%、「オンライン会議・テレワークを標準化している」が34.0%、「チャットツールなど気軽にコミュニケーションをとれるシステムを導入している」が26.2%という回答となったという。東京版に対し、「オンライン会議・テレワークを標準」が8.7ポイント、「コミュニケーションシステム」が5.7ポイント少ない一方で、「経費精算システム」は6.9ポイント、「電子契約書の標準化」は6.7ポイント多い結果になったとしている。
- グループウェアを導入している:36.9%
- オンライン会議・テレワークを標準化している:34.0%
- チャットツールなど気軽にコミュニケーションをとれるシステムを導入している:26.2%
- 経費精算システムを導入している:25.5%
- 電子契約書を標準化している:21.3%
- ワークフローシステムを導入している:16.3%
- 特にない/わからない:34.8%
- その他:1.4%
DX推進が滞っている理由、「人材が不足しているから」が36.2%
「Q4.Q1で「あまり進んでいない」「全く進んでいない」と回答した方にお聞きします。DX推進が滞っている理由を教えてください。(複数回答)」(n=80)と質問したところ、「DX推進のための人材が不足しているから」が36.2%、「DX推進のアイデアや企画・戦略立案が難しいから」が32.5%、「何から手をつけて良いかわからないから」が32.5%という回答となったという。東京版に対し、Q2で「予算が増加しない」の回答が少なかったためか、「予算が割けない」が4.5%少なかった一方で、2番目に多い回答「アイデアや企画」が東京版に比べ24ポイント多く、東京版の約4倍という結果になったとしている。東京では「予算」面が課題になっている一方で、地方では「人材不足」や「企画が難しい」など人材面が課題になっていることが明らかになったという。
- DX推進のための人材が不足しているから:36.2%
- DX推進のアイデアや企画・戦略立案が難しいから:32.5%
- 何から手をつけて良いかわからないから:32.5%
- DX推進のための予算が割けないから:23.8%
- 自社だけDX推進しても取引先が対応してないと効果がだせないから:21.2%
- データが適切に管理できるか、情報漏洩しないか不安があるから:6.2%
- わからない:5.0%
- その他:5.0%
「必要とは思えない」「自社に合うDXが分からない」などの理由も
「Q5.Q4で「わからない」と回答した方以外にお聞きします。DX推進が滞っている理由がQ4以外にあれば、自由に教えてください。(自由回答)」(n=76)と質問したところ、「必要とは思えない」「自社に合うDXが分からない」など45の回答を得ることができたとしている。
<自由回答・一部抜粋>
- 60歳:必要とは思えないから
- 53歳:自社に合うDXが分からないから。
- 57歳:デジタルが得意な人がいない。
DXが進んでいない企業も、約7割が「推進」を希望
「Q6.Q1で「あまり進んでいない」「全く進んでいない」と回答した方にお聞きします。あなたは今後、DXを推進したいと考えていますか。」(n=80)と質問したところ、「かなり推進したい」が11.1%、「やや推進したい」が58.8%という回答となったという。東京版に対し、「推進したい」が25.5ポイントも多い結果となり、Q2の「DX予算」の結果同様に、東京中小企業よりも地方中小企業の方が今後のDX推進に積極的な姿勢があることが伺えるとしている。
- かなり推進したい:11.1%
- やや推進したい:58.8%
- あまり推進したくない:13.8%
- 全く推進したくない:8.8%
- わからない:7.5%
「DX推進」を希望する企業が期待すること、「業務効率化」が80.4%
「Q7.Q6で「かなり推進したい」「やや推進したい」と回答した方にお聞きします。DXを推進することによってどのような課題解決を期待していますか。(複数回答)」(n=56)と質問したところ、「業務効率化」が80.4%、「生産性向上」が69.6%、「社内の情報共有の円滑化」が42.9%という回答となったという。東京版に対し、「テレワークなど柔軟な働き方の実現」が6.6ポイント、「商圏の拡大」が15.9ポイント少なく、「商圏の拡大」に関しては東京版の約1/4という結果になったとしている。
- 業務効率化:80.4%
- 生産性向上:69.6%
- 社内の情報共有の円滑化:42.9%
- テレワークなど柔軟な働き方の実現:23.2%
- 商圏の拡大:5.4%
- 採用力向上:3.6%
- その他:0.0%
まとめ
今回の調査結果から「DXを推進したいと考えているけど何から手をつけていいのかわからない、人手もない」という中小企業経営者の切実な本音が垣間見えたという。リソースが限られている中で重要なことは、まず紙の電子化など比較的取り組みやすいことから一歩ずつ取り組み、データの蓄積と活用を継続していくことだとしている。今後、日本の9割以上を占める中小企業におけるDX推進の加速が、日本全体の更なる生産性や競争力向上の重要な鍵となるという。
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