ガートナーは、日本企業のCIOが2022年にデジタルビジネス推進に向けて注力すべきアクションを発表した。「CIOとIT部門の役割」「人材と組織」「ITコスト管理」の3つの観点から、2022年に注力すべきアクションを解説している。
「CIOとIT部門の役割」では、まず日本のエンドユーザー企業はITベンダーへの依存が高く、高度なITスキルを持った人材が欧米に比べて少ないと指摘。そのため、CIOとIT部門は内製化およびアウトソース、そしてIT子会社を含めたグループ企業全体におけるIT組織の役割整理と再定義を行うことが重要だとしている。
「人材と組織」では、CIOは外部からの人材獲得を進めると同時に、潜在能力の高い社内人材を成長、活躍、そして定着させていく必要があるという。なお同社フェローの足立祐子氏によれば、2022年は全社的なスキルの保有と分散方法、パンデミック以降のIT組織の健康状態、従業員価値提案に関する取り組みに注力するべきだと述べている、
「ITコスト管理」においては、これまで経営者からコスト削減あるいは最適化を指示されたCIOは、維持コスト領域が多い運営支出を減らすことに注力してきたとのこと。
しかし同社のシニア ディレクターである片山博之氏によれば、クラウド・サービスの利用料とデジタル変革のための実験開発コストは、会計上は運営支出であったとしても従来の運営支出とは位置付けが大きく異なるという。
そこでIT関連コストを運営支出、クラウドと実験開発費の運営支出、それ以外の運営支出の3つに分けて管理することを推奨。さらに、経営者にはITコストを変革、成長、運営のようなビジネス目的ごとに分類し、増やすべきコストと減らすべきコストを明確にして見せることで、より効果的になると述べている。
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