Stripeは、オンラインにおけるカード不正使用に関するレポートを公開した。同レポートによると、世界各地で不正使用が増加しており、中でも南米の企業が特に不正使用を経験していることがわかったとしている。
調査回答企業の64%が、新型コロナウイルス感染拡大以来、不正使用防止が困難に
調査回答企業の64%(日本:54%) が、新型コロナウイルス感染拡大以来、オンラインにおけるカードの不正使用の防止が困難になっていると回答。上記のうち56%(日本:61%)は、パンデミック前と比べて複雑かつ巧妙な不正使用に直面していると回答し、41%(日本:35%)は、パンデミック前と比べてより多くの不正使用に直面していると回答した。
また、2020年3月から5月にかけて、不正使用関連以外の理由コード (「商品が届かない」「商品に不満がある」など)による申請が発生した決済取引は、2019年の2倍以上となった。パンデミックの発生から1年間で、カードテスティング攻撃の試みを受けた割合は40%急増した。
地域および企業規模による不正使用の違い
不正使用対策の重要性は世界共通であるという。同調査対象企業の90%は、ECでの不正使用を防止することが自社のビジネスにとって重要であると回答した。しかし、不正使用の方法は業種や企業の所在地によって微妙に違いがあり、複雑な様相を呈するとしている。
不正使用がビジネスに与える影響
不正使用が発生すると、不正使用による不審請求の申請と不正防止対策において、高額のコストをともなうという。このような財務的損失の他にも、多くの企業は不正対策チームを拡充したり、製品やエンジニアリングのリソースに対処するなど、リソースを移行。実際に、調査回答企業の59%(日本:62%)が、2022年に昨年より多くの収益が不正使用によって失われると予測しているという。
不正使用の動向予測
不正使用の手口は年々巧妙化しており、オンラインビジネスは新たな形の不正使用の可能性に晒されているという。同社は、調査の結果を踏まえ、以下4点を不正使用を取り巻く状況としてまとめている。
- 3DSなどの追加認証が大きな役割を果たす
- 迅速で的確な判断を下す
- カード発行会社との体制強化、不審請求申請を効率化し、誤った支払い拒否を減らす
- 支払い方法や不正使用の状況が変化
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