EY Japanは、TCFDで要求される気候変動リスク・機会の財務的なインパクトを分析するためのツール「気候変動リスク財務インパクト分析ツール」を提供することを発表した。
2017年に公表された「気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures、以下、TCFD)」では、気候変動が経営に与えるリスク・機会の財務インパクトの分析が求められ、日本でのプライム市場上場企業においてもTCFDなどの国際的枠組みに基づく気候変動開示の充実が必要とされている。
こうした背景のもと開発されたこの「気候変動リスク財務インパクト分析ツール」により、気候変動リスク・機会の財務的なインパクトを短期かつ高精度に分析することが可能となる。
分析のデータと流れとしては、企業固有の財務情報や、CO2 排出量・削減目標などをインプットデータとし、気候リスクシナリオや、気候変動 PEST情報、自然災害リスク予測などの外部データと連携させ、EYのノウハウやロジックを適用した分析を行う。最終的には、個別の気候変動リスク・機会インパクト、シナリオ別・時系列・事業別などの切り口による財務諸表への影響などをアウトプットするというもの。
EYのパートナーの尾山耕一氏は「定量的な財務インパクト分析が強く求められているが、その方法について悩まれている企業は多い。EYのノウハウや様々なリスクシナリオを取り込みつつ、外部のベンダーの情報も活用して解決に役立てていただきたい」と語る。
このツールは同社が以前から提供している「サステナビリティ経営コンサルティングサービス」の一環として、提供していくという。