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先進企業と大きく水をあける結果も、アジャイル開発の準備進む──PwC『2022年DX意識調査』

 11月9日、PwCコンサルティングは「2022年DX意識調査 - ITモダナイゼーション編」と題して調査結果を報告した。

 はじめに調査概要について、PwCコンサルティング 上席執行役員 パートナー クラウドトランスフォーメーションリーダー 中山裕之氏が説明を始めた。『The IMD World Digital Competitiveness Ranking 2022』(IMD:国際経営開発研究所)について触れて、総合順位を算出するためのサブ因子である「ビジネスの俊敏性」については62位という結果になっており、「日本のITはビジネスの俊敏性向上に貢献しているのか、現状どうなっているのかという課題意識から調査を実施した」と語る。

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 従来ITは、業務効率化や支援的な位置づけだったが、昨今では“ITそのもの”が競争優位の源泉となっており、コンピューターリソースの確保もパブリッククラウドの普及で安価かつ迅速に調達できるようになっているとした。また、システム開発についてもローコード/ノーコード開発ツールの進化などにより、専門スキルがなくても一部のシステム開発が可能になっていることにも言及し、「時代に即した形でIT、人材、組織、プロセスを包含的に変えていく。今回の調査もこの4つの視点をもって実施している」と中山氏。今回の調査では、ITモダナイゼーションの成熟度を定義するにあたり「アジャイル開発の適用状況」「パブリッククラウドの活用状況」「クラウドネイティブ技術の活用状況」という3つの質問を用意しており、すべてにおいて全面展開していると回答した企業を“先進”、全面展開あるいは一部展開していると回答した企業を“準先進”としている。

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 今回の調査においては、特に“企業の姿勢”が成熟度に寄与しているとして、『DXをCEOがリードしている』と回答した企業が37%であり、『全社レベルでデータを可視化し意思決定に活用している』と回答した先進企業は84%に上るなど、準先進以下の企業とは大きく水をあける結果になっているという。一方で、昨年の調査結果と比較すると先進企業の割合は変わらず、準先進企業も微増となっており大きく進展がないとも指摘する。

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 また、調査を通して下図にあるような5つの傾向が見えているとして、その中から「デジタル人材育成」「基幹システム」「アジャイル開発」について言及された。

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 デジタル人材育成の観点では、デジタルスキル育成プログラムに大きな投資が行われており、特に先進企業では『期待以上の効果が出ている』との回答が6割に上っている。中山氏は、「ビジネスの現場で実践してみることで、組織内にスキルが定着していくのではないか」とした。さらに、基幹システムという観点において課題を訊いたところ、『ブラックボックス化による保守・運用の困難になっている』『システムの採用技術が時代遅れになり、人材確保が困難である』『既に保守切れしている、ないしは期限を迎えること』との回答が集まった。

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 そして、システム構築時の実現手段を訊くと『パブリッククラウドやSaaSを採用する』という答えが46%、『プライベートクラウドまたはオンプレミス上に構築する』というのが48%と二極化している。「ブラックボックス化、ハードウェアの保守切れ対応、ソフトウェアやミドルウェアについてもOSSに対応しているサービスを選択できるため、SaaSやパブリッククラウドを採用していくことが望ましい」と中山氏。一方で、パブリッククラウドの採用における障壁を訊いたところ『既存システムおよびデータとの連携』という回答がトップになり、いまだに技術的負債に悩まされているとした。

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 加えて、アジャイル開発については、昨年と比較すると『本番環境で展開している』という回答数は少ない一方で、社内プロセスの変更状況については先進企業では100%、準先進企業で96%と高く、その他の企業においても52%と準備が整いつつあることが見てとれる。実際に障壁になっていることについて訊くと『スキルや経験がない』という回答は想定内だが、『過去にアジャイル開発で失敗したケースがあり、そのイメージを払しょくできない』という答えが上位2番目にきていたとした。

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 こうした傾向に基づき日本企業が取り組むべきこととして、同社シニアマネージャー 岡田裕氏は下図のような5つの提言を出した。

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 人材育成においては、座学とIT内製化による実践を交互に繰り返すことで、現場で活躍できるデジタル人材を育成していくことが求められるという。特に、経営者自らが旗振り役としてデジタル人材育成に係るプログラムを展開し、全社で変革の機運を醸成していくことが重要だとする。また、IT部門のあり方を再定義するタイミングにきているとして、同部門がデジタルに関わる専門家集団となっていく必要があり、そのためには業務部門と出島組織を立ち上げ、横展開を繰り返しながら専門家集団として独立していくことが大切だとした。

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 次に同社ディレクター 鈴木直氏は、アジャイル開発について多くの企業で準備が進んでいる一方で、人材不足や過去のトラウマから本番活用が進んでいないとして「アジャイル開発に関する誤解が大きな要因になっているのではないか」と指摘する。たとえば、『計画を策定せずにまず始めることが重要』『品質をおろそかにしてもスピードを重視』などいった誤解があるといい、仮説検証を繰り返すアジャイル開発が適切な場面も多く、適切に推進することが重要だとして5つのステップを提示。関係者で合意形成を得た後に、スモールスタートで自社に適した形でのアジャイル開発の在り方を見出し、改善を繰り返して開発スタイルを確立していく必要があるとした。なお、リーダーには優先順位を明確にし、仮説検証後にプロジェクトの方針を適宜判断することが求められるという。

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 さらに、基幹システムの刷新とクラウド活用という観点では、基幹系システムの刷新においてビッグバンアプローチを取ることも多いかもしれないが、リスクが極大化して効果がでる時期も遅くなり、モノリス(密結合)な状態はそのままにコアとなるミドルウェアも変えられず、“保守切れ呪縛”のままになると指摘。ビジネス優先度に応じて段階的に、かつ短いサイクルで機能単位のリリースを行い、依存関係を極小化を目指してパブリッククラウドやSaaSの活用で保守切れ対応から脱却する必要があるとした。「クラウドサービスを利用することで、従来のような作業効率やコスト削減だけでなく、最新技術を気軽に試せ、オープンイノベーションの容易化、CO2排出量削減に貢献する効果もあるため意識して積極的活用して欲しい」と述べて締めくくった。

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この記事の著者

岡本 拓也(編集部)(オカモト タクヤ)

1993年福岡県生まれ。京都外国語大学イタリア語学科卒業。ニュースサイトの編集、システム開発、ライターなどを経験し、2020年株式会社翔泳社に入社。ITリーダー向け専門メディア『EnterpriseZine』の編集・企画・運営に携わる。2023年4月、EnterpriseZine編集長就任。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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