日立造船は、日本アイ・ビー・エム(以下、日本IBM)およびSAPジャパンの支援により、基幹業務システムとして導入しているERPアプリケーション「SAP S/4HANA」のアップグレードを完了した。
日立造船は、2018年度にSAP S/4HANAを導入し、人事、財務、会計、調達、プロジェクト管理などのシステムを全面刷新。2022年度には製品・サービスの付加価値向上ための「事業DX」と役職員のための「企業DX」を支える「DX基盤」を柱とした「Hitz DX戦略」を策定した。SAP S/4HANAと製品の運転状況や故障予兆などを管理するIoTセキュアプラットフォーム(EVOLIoT)のデータを連携させ、業務データを一元管理し、ICT活用の拠点である「Hitz先端情報技術センター」において様々な情報をリアルタイムで見える化し、経営における意思決定や業務改善への活用を目指しているという。
同社は今回、SAP S/4HANAをアップグレードしたことにより、アドオン機能の削減に向けた基盤を作ったとしている。また、DX基盤のデータ連携と活用、業務クラウド型人事ソリューション「SAP SuccessFactors」と出張・経費管理ソリューション「Concur Travel & Expense」の活用を促進したという。
SAPジャパンと日本IBMは、SAP S/4HANAの導入時から日立造船の基幹業務システムの刷新を支援しており、今回のSAP S/4HANAの2020 FPS03バージョンへのアップグレードも支援。事前に新旧機能の比較検証を実施したことにより、適切な改修ができたとしている。さらに、連携する周辺システムのインターフェースをマルチモデルデータベース「SAP HANA」を基盤としたプラットフォームに集約していたことにより、連携テストや修正に迅速に対応できた。このほか、SAPの導入支援サービスである「premium engagement」サービスを活用し、発生した技術課題を短期間で解決したという。
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