AI insideは、2023年7月に、正社員および経営者・役員として働いている20~59歳の男女1,161名を対象として生成AIの活用実態・意向を把握するための調査を実施し、その結果を発表した。
生成AIの認知について、知っている・聞いたことがある「生成AI認知者」は55.5%にとどまる
生成AIの認知に関する設問では、「知っている・聞いたことがある」と回答した生成AI認知者は55.5%で、「知らない・聞いたことがない」と回答した生成AI未認知者は44.5%だった。生成AIに関連する日々のニュースの多さからうかがえる注目度の高さと比べると、生成AIという言葉を認知しているビジネスパーソンは55.5%にとどまり、生成AIという言葉はまだ世の中に浸透しきっていないことが明らかになったという。
生成AIのビジネス活用状況について、継続利用している「生成AI継続利用者」はわずか7.8%、利用したことがない「生成AI未利用者」は大多数の84.4%に
生成AIのビジネス活用状況に関する設問では、「継続利用している」と回答した生成AI継続利用者はわずか7.8%にとどまり、「利用したことはあるが継続利用していない」と回答した生成AI未継続者も同様に7.8%のみとなった。また、「利用経験なし」と回答した生成AI未利用者は84.4%と大多数を占めた。
生成AIは企業・団体のDXを加速させるテクノロジーとして大きな期待が寄せられている一方で、実際のビジネス現場ではほとんど活用されていない実態が明らかになったとしている。
「生成AI未利用者」が生成AIをビジネス活用しない理由、第1位は「回答結果の正確性に懸念がある」(28.7%)
生成AI未利用者(n=464)を対象に、生成AIをビジネス活用しない理由を複数選択で聞いたところ、第1位「回答結果の正確性に懸念がある」(28.7%)、第2位「使い方のイメージがわかない」(21.6%)、第3位「法整備が不十分なことに懸念がある」(20.5%)、第4位「AIによるバイアスなど倫理的観点に懸念がある」(19.4%)、第5位「セキュリティに懸念がある」(19.0%)となった。
回答結果の正確性や法整備・倫理的観点・セキュリティへの懸念といった生成AIに対する「信頼性」に加え、使い方のイメージがわかないといった「使い勝手」に関わる項目が上位を占め、これらが生成AI未利用者にとって活用の障壁となっていると考えられるとのこと。また、「自身の業務が代替されることに懸念がある」(5.2%)は第15位となり、AIに仕事が奪われる懸念を抱えているビジネスパーソンは少ないことがわかったとしている。
「生成AI認知者」が生成AIサービスを選定する際に重視するポイント、第1位は「セキュリティの信頼性の高さ」(41.5%)
生成AI認知者(n=644)を対象に、職場で活用する生成AIサービスを選定する際に重視するポイントを複数選択で聞いたところ、第1位「セキュリティの信頼性の高さ」(41.5%)、第2位「回答精度の高さ」(30.6%)、第3位「導入費用の妥当性」(25.5%)、第4位「操作の簡単さ・わかりやすさ」(21.6%)、第5位「日本語に特化して学習されている」(20.7%)となった。
個人ではなく会社としての判断が求められるサービス選定のシーンでは、「セキュリティ」に対する意識が高くなることが明らかに。また、操作の簡単さ・わかりやすさなど「使い勝手」に関する項目が上位に入っており、生成AIをビジネス活用するうえで重要性が高いことがうかがえるという。
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