2023年12月19日、Snowflakeは「Streamlit」技術説明会を開催した。
Streamlitは、2013年のGoogle X「NLPプロジェクト」をきっかけに、2018年11月に創業。2022年3月にはSnowflakeによる買収提案を承諾している。同社は企業OSSのPython用UIライブラリを提供しており、Streamlit Co-Fonder & COO Amanda Kelly氏は「2019年にOSSライブラリをローンチしたが、短期間でここまで成長すると思っていなかった。Streamlitユーザーが日常業務において抱える問題の9割がデータにかかわるものであり、Snowflakeと一緒になることでデータを基にした取り組みを迅速かつ容易に、そして楽しく行えるようになった」と振り返る。
ビジネスのために随時ニーズに適したアプリケーション開発が求められる一方、開発チームに頼むだけでは非常に時間がかかってしまいビジネス機会の損失にもつながるだろう。だからこそ、Kelly氏はStreamlitの開発に至ったとしており、2023年12月には新サービス「Streamlit in Swnoflake」をローンチ。これまで50行必要だったコーディングが1行で済むとして「私たちが重要視しているのは“速さ”だ」と強調する。
DWH上には限られたデータしかなく、経営層やビジネス部門の頭の中にしかないデータもあるはずだと指摘。Streamlitを使うことでイタレーションが容易になるため、迅速に構築したアプリケーションにビジネス部門からフィードバックをもらい、その場で改善を反映するような使い方をしている企業も見受けられるという。
説明会では、実際に新サービスのデモンストレーションが行われ、少ないコード数でビジネスアプリケーションが構築されており、必要な項目を即座に変更できる点を強調。「StreamlitはPythonを用いており、より使いやすくなるように必要なライブラリを拡充していく。既にOSSコミュニティが作成した数千ものコンポーネントも存在しており、グローバル数十万人もの開発者や企業に支えられている」とKelly氏。Snowflakeでは、Streamlitを含めて生成AI/LLMのためのプラットフォームとして提供しており、Streamlit自体はOSSとして機能開発などを行っていく予定だ。
次に、Snowflake 執行役員 プロフェッショナルサービス&トレーニング本部長 並木知己氏が登壇。「全員がデータを容易に活用するためにStreamlitをどう使っていくのか。『Streamlit トレーニングプログラム』を提供していく」と説明を始めた。
既にオンラインでのオンデマンドコンテンツとして「Snowflake University」があり、短期間かつ無償で利用可能。たとえば、「Data Application Builder Workshop」と題したワークショップでは、ガイドに従いながらStreamlitのアプリケーションを開発できるという。「『こういう書き方をしたらどうなるのか』ということを試しながら取り組め、企業利用はもちろん、今後は学生にも活用してもらえるのではないか」と紹介した。