サイバーエージェントの人工知能技術の研究開発組織「AI Lab」、官公庁・自治体のDX推進支援を行う専門開発組織「GovTech開発センター」および東京大学マーケットデザインセンター(以下、UTMD)は、官公庁・自治体向けとなる生成AIを活用したチャットボットの社会実装に向けた実証実験を11月より開始した。
第1弾として佐賀県佐賀市の協力のもと、子供を保育施設に入れるために保護者が行う活動(保活)の支援を目的とする生成AIを活用したチャットボットの実証実験を行った。佐賀市子育て支援部保育幼稚園課への来訪者に実際にチャットボットを利用してもらい、利用者の質問する内容の特徴や利用後のチャットボットに対する印象を分析。また、佐賀市子育て支援部保育幼稚園課の窓口でよく聞かれる質問を職員に確認し、参加者のチャットボットへの質問と比較したという。
その結果、チャットボットの利用後に「有用だと思う」と回答した実験参加者は利用前と比較して約2倍に増加。利用前は、「わからない」と回答していた利用者も「まあまあ有用だと思う」以上の回答をしており、ネガティブな印象を持つ参加者はいない結果となった。同実証実験において、大規模言語モデルは利用者の質問を的確に解釈し、佐賀市が提供している保育施設利用に関する情報から適切な回答を生成し、提示できたことを確認したとしている。
AI LabとUTMDは今後、マーケットデザイン分野の学術貢献および様々な自治体における行政効率や住民満足度の改善に貢献するとともに、公共政策や小売マーケティングなどの分野における社会課題の解決を目指していくという。
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