みずほフィナンシャルグループ(以下、みずほ)と日本アイ・ビー・エム(以下、日本IBM)は、「IBM watsonx」(以下、watsonx)の基盤モデルを活用し、みずほのシステム運用における品質向上と効率化を目指す実証実験を、2023年8月から3ヵ月間、共同で実施した。
銀行システムの運用においては、正確性はもちろんのこと、不具合発生時の早期復旧が求められる。しかし、現在の手法では、エラーを検知してもそのメッセージのパターンが複数あるため、障害の規模が大きい場合はメッセージ量の増加も相まって、熟練のオペレーターであっても原因の特定から復旧までにかなりの時間を要していたという。
そこでみずほと日本IBMは、watsonxの基盤モデルを活用し、エラー検知の効率化に向けた実証実験を実施した。生成AIにインシデント対応で誤りが発生しそうなパターンを追加し、イベント検知における一連の運用を支援するアプリとwatsonxの基盤モデルを連携。イベント検知におけるエラーメッセージの監視と対応において98%の精度を実現したことで、復旧までの最短手順を案内することが可能となり、復旧スピードの向上が期待できる結果となったとしている。
また、watsonxを利用することで、可用性・機密性の確保が必要な場合のオンプレミスでの稼働や、現場担当者での監視・運用メニューの設定変更が可能になる。両社は今後、watsonxの基盤モデルを活用したイベント検知と対応を拡大し、本番環境への適用を2024年度に実施する予定。加えて、生成AIを活用したインシデント管理と障害分析高度化にも取り組み、運用の効率化・高度化を進めていくという。
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