2月9日、セゾン情報システムズは「データをつなぐ日:つ(2)なぐ(9)」にちなんだ記者説明会を開催した。
2023年2月9日に「HULFT Square」をリリースしてから1年が経過する中、情報経営イノベーション専門職大学との連携、滋賀大学との提携によるデータサイエンティスト向け勉強会など、産学連携を拡大。同年11月に開催したHULFT Technology Days 2023では登録人数が4,000人を上回り、AWS re:Invent 2023にも8年ぶりにブース出展を行っている。セゾン情報システムズ 常務執行役員 営業本部長 兼 グローバル営業統括部長取締役 石田誠司氏は、「出展の際に実施したアンケートからもiPaaSやデータ連携の需要を感じており、Square Enix Westにおいては『HULFT Integrate(DataSpider米国版)』が導入されて、逆輸入の動きもある」と説明した。
また、昨年からはエンタープライズ向けの生成AI導入支援サービスを展開。ChatGPTをタレントマネジメントにも活かせるとして、管理者へのアラームや人材アサインの候補出し、チャット履歴からの人物評価など、従業員の傾向分析をサポートしていくという。さらに、人事ソリューションと法務ソリューションのアプリケーションテンプレートを提供。加えて、SAP S4/HANAやBlackLineなどのクラウドシステム、オンプレミス環境にある既存システムに対してHULFT SquareとDataSpider Servistaでデータ連携をサポートするという。なお、運用・保守、監視にかかわるサービスも拡充させていくとする。
「プロダクト開発におけるロードマップは随時更新しており、2024年1月にはアプリケーションテンプレートの正式リリース、5月には運用性の向上、SAPコネクタの充実などの機能追加を予定している」と石田氏。
そして本日から、Amazon ECS(Amazon Elastic Container Service)に対応した「HULFT10 for Container Services」をAWS Marketplaceで提供を開始している。
同社 HULFT10 プロダクトマネージャー 樋口義久氏は、「『HULFT8』から10年の期間を空け、より機能強化したことを発信したく『HULFT10』としている」と切り出し、ユーザーを交えたラウンドテーブルなどで意見を汲みながら開発を行ったと説明。クラウド化やレガシーシステムの終息、ISDNの廃止などの課題が山積する中、“IT技術者の不足”に集約できるとして、そこの解決に資することも製品開発の軸になっているという。
具体的には、Amazon ECSへの対応を皮切りにAPI連携の拡充、UI/UXの刷新などにも注力していき、従来製品のバージョンアップ版だけでなく、コマンドモジュール形式での提供も予定しているという。樋口氏は「現行システムの改修をせずにクラウド連携が実現できることはもちろん、環境別にVPNを通さずにセキュアな業務連携なども可能だ」と自信を見せる。なお、ユーザーニーズの高いRed Hat OpenShiftにも対応予定とのことだ。
同社 HULFT10 開発担当 伊藤徹弥氏は、「AWS Marketplaceでの提供においてはベストプラクティスを満たすことが難しく、プログラミング言語としてRustやGoなどの採用にも挑戦した」と開発における工夫を説明し、デモを実演。ロールベースアクセス制御(RABC)による権限管理ができたり、転送の有効期間を設定できたりすることを紹介した。