ベリタステクノロジーズ(以下、ベリタス)は、最新のグローバル調査の結果を発表した。同調査は、世界11ヵ国、11,500人(日本:1,000人)の18歳から65歳以上の会社員を対象に実施し、職場における生成AIツールの利用に関しての実態が明らかになったという。
グローバル調査の結果から、職場における生成AIツールをめぐる混乱は、従業員間の溝を生むと同時に、機密情報の漏洩リスクを高めていることが判明。従業員の70%以上が、顧客情報、従業員情報、会社の財務情報を入力するような行動を含め、ChatGPTなどの生成AIツールを職場で使用していることを認めている。
しかし、4分の1近く(23%)はこれらのツールを使用していないだけでなく、同僚が仕事を支援するために使用することは間違っており、給与を減額するべきだとさえ考えているという結果に。生成AIツールの使用に対する考え方に関わらず、90%がその使用に関するガイドラインやポリシーが重要であるとの回答に対して、従業員に強制的な使用方法を提示している企業は36%のみだったという。
一方、日本では職場における生成AIツールの利用は38%で、11ヵ国中最下位だった。グローバル平均で最も多く生成AIを使用しているのは、分析のための調査・情報収集の実施(42%)という結果に対して、日本は23%と最も少ない結果となった。日本ではライティングの向上(46%)とEメール/メッセージ/メモの作成(41%)といった使い方が主流だとしている。日本特有の結果は以下のとおり。
- 生成AIツールを職場で使用することに個人としてメリットがないと思っているのは28%で日本が1位(グローバル平均:14%)
- 今後3年以内に組織内の役割がAIに置き換わると思っていないのは78%で日本が1位(グローバル平均:58%)
- 自分と同じ役割を果たしている同僚の一人が生成AIを使用していていることがわかった場合、それが不公平だと思わないのは68%で日本が1位(グローバル平均:47%)
- 生成AIツールを職場で使用することでビジネスにどのようなメリットがあるかという問いに、まったくメリットはないと回答したのは21%で日本が1位(グローバル平均:11%)
生成AIツールの利用率が低い日本でも、従業員は生成AIのガイドラインとポリシーの整備を望んでいる。また、従業員の4分の3以上(77%、日本:70%)が、組織内での生成AIの使用に関するガイドライン、ポリシー、または雇用主からのトレーニングを望んでいるとのこと。最も多い理由としては、従業員が適切な方法でツールを使用する方法を知るため(68%、日本:71%)、リスクを軽減するため(43%、日本:49%)、職場で平等な競争条件を作り出すため(25%、日本:17%)だったという。
ベリタスのソリューション・リードであるソーニャ・ダフィン(Sonya Duffin)氏は、次のように述べている。
「生成AIの活用方法に関してリーダーや会社からのガイダンスがないため、一部の従業員は企業を危険にさらすような方法でAIを使用しています。企業は規制遵守違反に直面したり、従業員全体の効率を高める機会を逃したりする可能性があります。効果的な生成AIのガイドラインとポリシーがあれば解決できるでしょう」
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