2024年3月1日、ジュニパーネットワークスは事業戦略説明会を開催した。
同社は、Mist Systemsを2019年に買収しており、Wi-Fiなどアクセスポイントをはじめ、有線やSD-WAN、NAC(Network Access Control)、データセンターとMist AIエンジン「Marvis」の適用を拡大してきた。2023年度はグローバルで55億6500万ドルの売り上げと伸長しており、平均年27%の成長率を記録。ジャパネットホールディングスなどが進めている「長崎スタジアムシティプロジェクト」でも採用予定だという。
2024年度はエンタープライズにおける「AIOps」の浸透を図るとして、SIや通信事業者との協業を強化して国内主要企業への拡販体制を強化、特に大手製造業や多店舗展開をする企業、学術・公共セクターに対して市場拡大を推進していく。その鍵となるエンタープライズ向けのネットワーク事業では「AIネイティブネットワーキングプラットフォーム(AI-Native Networking Platform)」を日本国内で全面展開するとして、ジュニパーネットワークス 代表取締役社長 古屋知弘氏は「運用革命を起こしていく」と強調した。
同プラットフォームについて下図を提示すると、これまで7年間蓄積してきたノウハウとデータを基にしたMarvisに加えて、エッジ端末上に配置する「Marvis Mini」が鍵になると話す。
Marvis Miniではデジタルツイン環境上でバージョンアップや拡張、コンフィグ変更などの影響をシミュレーションできる。また、AIデータセンター向けのルーターやスイッチ機器とあわせて“データセンター向けのMarvis”を利用することで、障害の事前検知や原因特定などにおける「AIOps」を実現できるという。なお、既存ライセンス体系の中で提供するためにトータルコスト削減にもつながるとした。
既にGAPやServiceNow、DARTMOUTHなどで利用されており、トラブルチケットの削減、オンサイト訪問の削減などを実現しており、たとえばServiceNowでは月間200ほどのトラブルチケットがあったところをMist AIを導入することで90%削減できたという。