ヒューマンリソシアは、IT分野のジェンダーギャップに関するグローバル調査を実施し、「データで見る世界のITエンジニアレポートvol.12」として発表した。
同社は、世界のITエンジニアの動向を俯瞰的に把握することを目的に、国際労働機関(ILO)や経済協力開発機構(OECD)の公表データ、各国の統計データベースなどをもとに集計し、「データで見る世界のITエンジニアレポート」として発表しているという。
調査対象国:OECD加盟国
日本、韓国、オーストラリア、ニュージーランド、米国、カナダ、コスタリカ、コロンビア、チリ、メキシコ、アイスランド、アイルランド、イタリア、英国、エストニア、オーストリア、オランダ、ギリシャ、スイス、スウェーデン、スペイン、スロバキア、スロベニア、チェコ、デンマーク、ドイツ、ノルウェー、ハンガリー、フィンランド、フランス、ベルギー、ポーランド、ポルトガル、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルク、イスラエル、トルコ(順不同、略称)
ITエンジニアとして活躍する女性比率、OECD平均は20.0%、日本は16.9%で22位と下位に
OECD加盟国について、ITエンジニアとして働く就業者のうち、女性が占める比率を集計したところ、最も女性が活躍しているのは、女性比率が28.0%であるイスラエルとなった。続いて25.0%のフィンランド、24.5%のエストニアとなり、米国が23.9%で4位に入った。一方日本は、16.9%で22位となり、データが取得できた34ヵ国のうち、下位に位置する結果となった。
上位10位には、北欧諸国およびバルト3国が並んだ。こうした国々に共通する特徴としては、多くの国で、就業者に占めるITエンジニアの割合が高い国であることが挙げられるとのこと。なお、G7構成国においては、4位の米国を除き、比較的下位に位置しているという。
STEM分野の卒業者における女性比率、OECD平均は34%、日本は18%で最下位に
続いて、幅広いIT領域における知識を習得するSTEM(Science, technology, engineering and mathematics)分野を学んだ大学卒業者について、女性比率を集計したところ、OECD加盟38ヵ国の平均は34.0%だった。国別では、1位アイスランド、2位ニュージーランド、3位カナダ、そして4位には米国が入り、上位4ヵ国はいずれも40%を超えている。
一方日本は、18.2%で、38ヵ国中最下位となった。日本では、STEM分野を学ぶ女性が少なく、よく使用される表現で置き換えると、「理系」を専攻する女性が少ないともいえる。なお、20%を切ったのは、最下位である38位の日本と、36位のルクセンブルク(19.5%)37位のスイス(19.4%)の3ヵ国のみだったという。
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