2024年6月5日、Contentsquareは「CX Circle:Level up your CX game〜ロストジャーニーからお客さまを救う冒険へ〜」と題したイベントを開催した。
同イベントは、ロンドンやニューヨーク、パリなど、各都市で開催されてきたワールドツアーの一環として、東京・虎ノ門に位置するTOKYO NODE HALLにて実施。約350名の会場が満席になるほどの盛況ぶりを見せた。
冒頭、Contentsquare カントリーマネージャーを務める伊奈憲一郎氏が登壇すると「カスタマージャーニーには、予期せぬ“ロストジャーニー”が潜んでいる」とイベントテーマに言及。フォーム入力のエラー、外部クリエイティブと商品ページの落差、モバイルアプリケーションのUI/UXが良くないなど、あらゆるところでユーザー体験を損なってしまうと話す。

そこで同社では「Lost Journey to Profit」を掲げ、「デジタル体験分析(Digital Experience Analytics)」「デジタル体験モニタリング(Digital Experience Monitoring)」「プロダクトアナリティクス(Product Analytics)」を柱にした顧客体験分析プラットフォームを提供しているという。なお、プロダクトアナリティクスの領域は、2023年9月に買収したHeap社が補う形だ。

あらためて伊奈氏が「顧客体験の改善は利益をもたらす」と強調すると、オープニング・キーノートに登壇する、アンカー・ジャパン 代表取締役CEO 猿渡歩氏、キンドリルジャパン Vice President, CMO/CMO X Founderを務める加藤希尊氏が「新世代メーカーAnkerが明かす顧客目線の持ち方」と題して対談を行った。
アンカー・ジャパンでは、モバイルバッテリーを軸として事業拡大を遂げており、現在はワイヤレスイヤホンやプロジェクターなど、家電領域にも商品ラインナップを拡げたことで、2023年度には売上494億円を達成している。
講演では、猿渡氏の著書『1位思考──後発でも圧倒的速さで成長できるシンプルな習慣』(ダイヤモンド社、2022年11月)をベースにしたトークセッションが繰り広げられた。
対談のテーマでもある“顧客目線”について、「解約窓口やカスタマーサポートの電話番号の導線を分かりづらくするようなことは、短期的な利益しかない。中長期的には、すべてお客様のためにやるということが重要。10年かけてブランドや信頼を築いたとしても、崩れるときは一瞬だ」と猿渡氏。アンカー・ジャパンでは、同社のバリューを全従業員が暗唱できるほどに浸透させており、それ故に合理的な判断で顧客目線のプロダクト開発、サービス提供が行えるという。

キンドリルジャパン Vice President, CMO
CMO X Founder 加藤希尊氏
最終的には、本当に良いものを作ることに帰結するとして、「ブランドイメージはお客様が作るものであり、我々が押し付けるものではない。その主語は常に“顧客”であるべきだ」と会場に集まった参加者にメッセージを投げかけた。
なお、CX Circleでは、「Contentsquare Master Awards」と冠した“CXリーダー”を称えたアワード授与式、抽選制によるネットワーキングなども催された。