2024年6月18日、amazee.io AGは、日本進出にともなう記者説明会を開催した。
同社は、エンタープライズ向けに「OpenSource-Platform as a Services(オープンソースプラットフォーム・アズ・ア・サービス)」を標ぼうした、amazee.io(アメージー)というPaaSを主軸とした企業であり、Kubernetes向けオープンソース・アプリケーションデリバリープラットフォーム「Lagoon」の主要コントリビューターでもある。amazee.ioはコアコンポーネントとしてLagoonを用いており、ハイブリッド/マルチクラウド環境上での利用だけでなく、DrupalやReact、Node.jsなど、開発者ニーズが高いフレームワークやツールにも対応できているとamazee.io AG CEOのフランツ・カールスベルガー氏。“Zero Ops”という概念の下、開発生産性の向上をサポートしており、既にオーストラリア政府が推進するCMS(コンテンツ管理システム)のGovCMS、プロジェクト管理ツールを提供するSmartsheetをはじめとした政府・行政機関や大手グローバル企業、高等教育機関などで活用が進んでいるという。
「われわれは開発者のために作ることを強く意識している」とカールスベルガー氏。2016年にスイスで設立して以来、アメリカやオーストラリアなどで事業展開を進めてきた中、日本市場へ本格進出することを発表した。今回、日本展開にともないANNAIと業務提携している。提携先であるANNAIは、オープンソーステクノロジーを核とした事業展開を進めている企業。「優れたソリューションとわれわれの市場知識を掛け合わせることで、日本組織におけるITインフラの効率化と利益増大に寄与できる」と同社 代表取締役社長兼CEOの紀野恵氏は述べる。今後、ANNAIは総代理店としてamazee.ioの独占販売を行い、2024年6月末にはAWSの日本リージョンに対応予定と明かした。これにより、データ主権の保護にもつながるとカールスベルガー氏も強調する。
また、同社 amazee.io Japan事業部 ジェネラルマネージャーの上田善行氏は、「クラウド環境へと移行する中、Webサイト構築や運用工数は変わらず、費用も高くなっているケースも見受けられる。また、セキュリティレベルが不透明なWebサイトも多数存在している状況だ。こうした環境下、amazee.ioを導入することで統合的にサポートできる」と指摘。異なるアプリケーションを一元的に管理できるようになり、メンテナンス性とコスト効率が向上すると説明する。
特にフルマネージドのPaaS上でアプリケーションを構築・運用することで、ZeroOpsを実現できると下図を提示。プラットフォーム・エンジニアリングの浸透を受け、プラットフォーム担当者と開発担当者の環境をamazee.ioが支援することで、開発者は運用を意識することなく、アプリケーション開発に集中できるようになると話す。
なお、日本国内においては従量課金型の「Cloud Professional」、専有型の「Dedicated Cloud」という2種類を展開。アプリケーションの保守・開発をパートナー企業で担うことも予定しており、まずはWebサイトやCMSといったエンドユーザー向けアプリケーション、OEM提供を含めたパートナー向けアプリケーションの基盤構築を視野に入れて事業展開を進めていく。Cloud Professionalでは1プロジェクト単位から、Dedicated CloudではクライアントのIaaSやオンプレミス環境でプロジェクト数無制限で利用できるとのことだ。