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パナソニック コネクト、生成AIで年間18.6万時間の業務削減 導入から1年を振り返る

 パナソニック コネクトは、OpenAIのLLMをベースに開発した自社向けのAIアシスタントサービス「ConnectAI」の2023年6月~2024年5月までの活用実績と、今後の活用構想を発表した。

1年間の活用実績、目標をすべて達成し労働時間を18.6万時間削減

 同サービスは、同社の国内全社員約1万2400人に展開している。どれだけ作業時間が削減できたかを全社員に聞いたところ、1回あたり平均約20分の削減につながっていることがわかったという。なお、生成AI導入の目標として掲げていた3点の達成結果は次のとおり。

  • 生成AIによる業務生産性向上:1年で全社員18.6万時間の労働時間を削減。アクセス回数は12ヵ月で139万6639回、直近3ヵ月の利用回数は前年の同期間と比較して41%増加
  • 社員のAIスキル向上:検索エンジン代わりのような用途から、戦略策定や商品企画などの1時間以上の生産性向上につながる利用が増え、製造業らしい活用(素材に関する質問、製造工程に関する質問など)も増加
  • シャドーAI利用リスクの軽減:16ヵ月の間に情報漏洩、著作権侵害などの問題は発生せず
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AIプロンプト添削機能の追加

 パナソニック コネクトでは、よくある日常業務15件のプロンプトサンプルをトップ画面に用意しているが、より具体的なプロンプトを入れたほうが素早く的確な回答を得やすいという側面を考慮し、2024年6月17日より新たにプロンプト添削機能を追加。これにより、さらなる生産性の向上が望めるという。

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自社特化AIの実用化開始

 2023年9月に、自社固有の公開情報(Webサイト・Webページ約3700ページ、ニュースリリース495ページ、対外向けのパナソニック コネクトホームページ3200ページ)を元に回答する自社特化AIの試験運用を全社員を対象に実施し、一定の精度で回答できることを確認。その試験運用の結果を踏まえ、2024年4月からは自社固有の社外秘情報である品質管理630件、1万1743ページに対して回答するAIの活用を開始した。この取り組みにより、品質管理規定や過去の事例を基に、製品設計時の品質についての質問が可能になったという。同機能には、回答結果の真偽を社員自身が確認できるよう、回答の引用元を表示する機能も実装している。

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品質管理における課題

 製造業における品質管理の課題には、経験者のノウハウに依存するため情報が共有されにくいこと、事例の検索とその精査・判断に膨大な時間を要することなどが挙げられる。これらを解決するため、社内にある品質管理規定や過去に発生した品質問題をConnectAIで参照できるような開発を行った。この開発により一定の効果をあげたことから、今後数年をかけて活用することで、同社では、経験者でも判断が難しい設計段階での問題や部品に起因する問題、また製造方法や作業手順の問題について原因の特定を容易にし、手戻りの時間も減らせるようにするとしている。

今後の生成AI活用構想

 これまで生成AIを活用してきた経験に基づき、自社固有の質問や最新の公開情報に回答できないことや、回答の正確性を担保できないことなどを課題として認識している。解決するために、自社データの整備を構造的に進め、「パナソニック コネクトコーパス」を構築していくという。

 今後は、自社データの対象範囲を拡大し、人事の研修サポートや社内ITサポート、カスタマーセンターなどの社内サービスにも広げていく計画だ。また、パワーポイントやエクセル、PDFなどの非構造化データに加え、業務システムなどに蓄積された構造化データも対象に拡大を進めているという。さらに、データ整備が整ってきた段階で、個人の職種や権限に応じて回答を行う個人特化AIの導入も検討していくとしている。

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