SAPジャパンは、企業の業務効率向上を支援し、組織の可視性とデータ精度を高めるためのサプライチェーンおよび外部人材管理の新しい取り組みを発表した。
具体的には、SAPの自然言語生成型AIコパイロットである「Joule(ジュール)」をSAP AribaおよびSAP Fieldglassの一部シナリオに統合し、これらソリューションとSAP Business Networkの連携を強化することで、ビジネスプロセスの最適化と戦略的な取り組みの早期達成を支援するという。また、サプライチェーンデータとビジネスAIを組み合わせることで、実践的な調達および人材管理のシナリオをサポートするとしている。
SAP Aribaの新機能として、Jouleを活用した製品とサプライヤーの推奨機能を提供。これにより、購買ニーズを自然言語で入力するだけでパーソナライズされたレコメンデーションが生成されるという。この機能は、2024年後半に一般利用可能となる予定だとしている。また、支出分析機能を提供するSAP Spend Control Towerにより、全社的な支出分析を一元管理し、迅速にコスト増加を特定すると述べている。
SAP S/4HANA Cloud Public Editionのbuying 360機能では、製品とサービスを一つの取引にまとめる新しい調達オプションと生成AI機能が提供されるとしている。ユーザーは自然言語で購買ニーズを記述するだけで、システムが最適な製品とサービスの組み合わせを提案し、購買を行えるという。この機能は2024年後半に利用可能になる予定だという。
加えて、SAP Ariba Central Invoice ManagementがSAP S/4HANA Cloud Public Editionと統合されることで、請求書を購買注文書や受領書と照合するプロセスが自動化。これにより、コンプライアンスの向上や範囲外支出の削減を支援し、買掛金管理プロセスの効率化が図られるとしている。
SAP Fieldglassの新機能としてJouleを活用することで、外部人材の職務記述書やスコープ・オブ・ワーク(SOW)を自動生成し、必要なスキルと資格を特定。また、候補者を給与希望、スキル、経験に基づいてランク付けし、最適な候補者を提案するという。
SAP Business Networkの機能強化として、SAP Business Network Supply Chain CollaborationとSAP Business Network Material Traceabilityの統合により、製品がどの原材料からどのような工程を経て作られたかを追跡するデータを共有し、サプライチェーン全体の追跡可能性とコンプライアンスを確保。また、SAP Business Network Freight Collaborationとの連携により、インバウンド配送のスケジュール更新を自動化し、輸送会社の引き取り予定や配送予定の管理を簡素化すると述べている。
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