ServiceNow Japanは10月15日から2日間、年次イベント「ServiceNow World Forum Tokyo」を開催。1日目には記者説明会を行った。
まず、ServiceNow Japan 執行役員社長 鈴木正敏氏が、3月に開催した事業戦略説明会で掲げた事業方針「5+1」について現状を振り返った。鈴木氏は、「業界向けビジネスの加速」「日本発のパートナーエコシステムの確立」「“Beyond CRM”進化した顧客体験の実現」「中堅/成長企業市場での本格的事業展開」「お客様ファーストの価値提案・支援」の5つについて、「すべて順調な進展を遂げている」とした。
これらに加えて、「+1」である生成AIの価値創出について、15のユースケースを提示。鈴木氏は「生成AIは単なる+1ではなく、すべてのビジネス方針に関わってきているものだ」と強調する。
同社は2023年9月、ServiceNowの生成AI機能として「Now Assist」を提供開始したが、それ以降、AIビジネスは好調に推移しているという。鈴木氏は2024年第2四半期決算のハイライトから「収益は前年同期比で20%以上増で、高い成長率を誇っている。その中で、生成AIが核になってきている」と話した。
続いて、同社 常務執行役員COOの原智宏氏がNow Assistのロードマップを説明。原氏は「AIがデジタルワークフローの中に組み込まれて、人をサポートしていく状態が生まれて初めて業務に利するインテリジェントな存在になる」と話した。そのための必要な技術要素として原氏は「データ」「AI」「アクション」の3つを挙げる。
今後の機能アップデートとして原氏は次の2つを紹介。1つは、ServiceNowの中に蓄積されているアセットリポジトリ、サービスリクエスト、インテグレーションを可視化する「Knowledge Graph」だ。2025年前半のリリース予定だという。2つ目は「AI Agents」。サードパーティエージェントを含む、複数のAIエージェントをオーケストレートし、自律的にビジネスプロセスを推進するもので、年内の提供を目指しているとした。
既に国内企業ではNEC、NTTデータ、メルカリなどが採用しているとした。
最後に鈴木氏は、2024年1月~9月で「日本市場において2桁成長をしている」と話す。生成AIの機能活用が日本語環境で進み始めているのが大きなポイントだという。年次イベント「ServiceNow World Forum Tokyo」についても、今年から2日間開催となり、見込み来場者数も昨年の倍以上の7,500人に上るとした。
【関連記事】
・経営層の81%が生成AI投資を増やすも、成熟度は44点と低い──ServiceNow Japan調査
・タニウム、ServiceNowとの統合ソリューションを発表 パッチ管理の効率化・自動化を実現
・ServiceNow、Now Platformの最新版「Xanaduリリース」を提供開始