Helpfeelは、有料の生成AIを導入している企業のツール導入立案者または運用担当者を対象に、「企業の生成AI導入」に関する実態調査を実施した。
調査概要
- 調査期間:2024年10月3~5日
- 調査方法:PRIZMAによるインターネット調査
- 調査人数:1,007人
- 調査対象:調査回答時に有料の生成AIを導入している企業のツール導入立案者または運用担当者と回答したモニター
- 調査元:Helpfeel
- モニター提供元:PRIZMAリサーチ
生成AIを導入・活用している部署トップ3
勤め先では有料の生成AIを導入しているかを質問したところ、20.2%が「はい」と回答した。加えて、有料の生成AI導入における立場を聞いたところ、「導入立案者」が30.0%、「運用担当者」が34.7%、「いずれもあてはまらない」が35.3%となった。
これ以降は、生成AI導入における導入立案者と運用担当者へ質問を実施。所属する部署については、「人事・総務」の16.7%が最も多く、次いで「営業」が16.6%、「情報システム」が16.4%と続いた。
また、社内で生成AIを導入・活用している部署を質問したところ、「情報システム」が34.9%で最も多く、次いで「マーケティング」が29.8%、「営業」が29.3%と続いた。
約9割が生成AIの導入に満足している一方で、約8割が課題を感じている
社内に生成AIを導入した理由を聞いたところ、「リサーチ・分析のため」が33.4%で最も多く、次いで「顧客対応の自動化のため」が32.5%、「メール・企画書などの文書作成のため()」が29.6%と続いた。
また、生成AIの効果に満足しているか聞いたところ、「とても満足している」が30.4%、「やや満足している」が58.0%と、約9割が生成AIの導入に満足しているという。
一方、生成AIを導入して課題を感じたか質問したところ、「かなり課題を感じた」が19.5%、「やや課題を感じた」が58.1%と、約8割が課題を実感していることが明らかになった。
なお、導入理由別の結果は次のとおり。
課題のトップ3は「データプライバシー」「情報漏えい・セキュリティ」「ハルシネーション」
生成AIを導入して「かなり課題を感じた」「やや課題を感じた」と回答した人に、どのような点に課題を感じたか質問したところ、「データプライバシーの懸念」が37.0%で最も多く、次いで「情報漏えい・セキュリティ面の懸念」が36.8%、「ハルシネーションの発生」が30.8%と続いた。
データプライバシーや情報漏えい・セキュリティ面に関する懸念を持つ人が多く、機密情報の保護が重要な課題となっていることがうかがえる。また、ハルシネーションの発生によって、事実とは異なる情報が生成されるリスクも問題とされているようだ。
生成AIの利用ルールを整備することで解消できる課題/残る課題が判明
これらの課題を感じている人に、社内では生成AIの利用についてルールを整備しているか質問したところ、課題別に次のような結果になったという。
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