日医工と富士通は、富士通の行動分析AIサービス「Fujitsu Kozuchi for Vision」およびブロードリーフの作業分析・業務最適化ソリューション「OTRS」「OTRS+AI」を活用し、共同実証実験を実施していると発表した。
日医工では、無菌製剤の製造工程における作業品質の標準化、新人や中途採用者の早期育成といった課題があったという。それらの課題に対し両社は、日医工の製造工程における作業漏れ検知の高度化や、ベテラン技術者のノウハウ継承による技術者の早期育成に向け、共同実証実験を開始したとのことだ。
実証実験の概要は以下のとおり。
実証期間
2024年11月19日から2024年12月20日まで(予定)
実施場所
日医工 岐阜工場(岐阜県高山市)
実証内容
日医工岐阜工場の医薬品製造現場での作業において、Fujitsu Kozuchi for Visionを活用するという。無菌室の入口に設置した監視カメラの映像データから、入退室時、無菌製剤の製造過程で標準化された作業が行われているかを分析。技術者の作業漏れをリアルタイムに検知できるか検証するとのことだ。
検知結果の通知方法は、現場技術者に対し、アラーム音や警告ライトの点滅による喚起、スマートフォンの活用などの仕組みを検討。適正かつ標準化された作業実施の再確認・再実施を行い、非標準的な作業に起因する製品廃棄処分をゼロにすること、無菌製剤を安定的に供給することを目指すとしている。
また、医薬品業界における製造現場の人材不足や現場技術者の早期育成に向けて、OTRSとOTRS+Aを適用。具体的には、まず、ベテラン技術者の作業映像から要素作業ごとに分割したデータを、教師データとして作成しAIに学習させるという。次に、経験の浅い技術者の作業映像を学習したAIが自動で作業分節したものと、先に作成した教師データを並列表示。教育指導者が比較検証しながら、経験の浅い技術者のスキルアップを促すとのことだ。
これにより、技術者のスキルレベルを、短期間でベテラン技術者のレベルまで引き上げることを目指すという。また、動画による作業標準マニュアルの作成や、技術者の事前の動作シミュレーションなど、人材育成全体で効率化を図ることで、教育にかかるコストの従来比50%削減を目指すとしている。
今後、両社は実証実験の結果を踏まえ、Fujitsu Kozuchi for VisionおよびOTRS、OTRS+AIについて、同工場への2025年3月の本格導入に向けて取り組みを進めていくとのことだ。
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